バイデン演説からの教訓
8月16日、バイデンさんは「アフガン情勢」について演説しました。この中で彼は、日本国にとっても非常に重要な内容を話しています。
アフガニスタンの政治指導者たちは国を投げ出して逃亡した。アフガニスタン軍は崩壊し、時には戦おうともしなかった。
アメリカ軍部隊は、アフガニスタン軍が自分たちのために戦おうとしない戦争で、戦って死ぬことはできないし、そうすべきでもない。
これは、日本についてもいえることです。
中国が尖閣諸島に侵攻してきた。日本政府は、バイデンさんに泣きつきます。「日米安保を発動してください!」と。するとバイデンさんは、「自衛隊は戦わないのか?」とたずねるでしょう。そしていいます。
アメリカ軍部隊は、日本の自衛隊が自分たちのために戦おうとしない戦争で、戦って死ぬことはできないし、そうすべきでもない。
そして、尖閣は、中国のものになる。
私たちは、アメリカに助けを求める前に、まず日本自身が日本を守る気概を持っておかなければなりません。アフガニスタンの教訓は、「アメリカは、自国を守る意志のない国を助けない」ということです。
現在、バイデンさんの決定は、「無責任だ!」「アフガニスタン人はかわいそうだ!」と批判されています。たしかに、もう少しテクニカルに「ソフトランディングできなかったのか」とは思います。しかし、「大戦略的」に考えると、中東からの撤退は、10年前から決まっていたことです。
現在心優しいジャーナリストや人権団体が、バイデンさんの決定を非難しています。ですが、アメリカの支配者層は、
- アメリカは世界一の産油国、産ガス国であり、中東は重要ではない
- アメリカは、中国と「覇権戦争」を戦っているので、中東に割く戦力はない
という認識を共有しています。ですから、これは、「アメリカ支配者層全体の決定」と考えて間違いありません。
それにしてもアメリカは、「国益」が変わると、いきなりいなくなります。日本も「アメリカが出て行く日」に備えて、自立への歩みを速めていきましょう。
image by: john smith 2021 / Shutterstock.com