その渡辺監督が率いるチームの部員たちはグラウンドでは高校生らしく、甲子園のカクテル光線の中では眩しく輝いていた。それだけに辞退は切ない気持ちにもなるが、報道によると、古沢環主将は「感染してしまったり、濃厚接触者になってしまった選手たちにはもちろん悔しい思いもあると思うし、絶対気にするとは思うんですけど、それを自分たちみんなで守ってと言うかカバーして受け入れていけたらなと思います」との他者への配慮を表現した。これぞ、校歌にある「世の光 わがほこり」だとOB諸君はうなったに違いない。毎日の練習後、甲子園で勝った時をイメージしてバックスクリーンに向かって整列し毎日歌った校歌の一節だ。その言葉を間違いなく甲子園に刻んだはず。これは部員にとっては、大きな学びになっただろう。同時に広い社会にコロナに対する市民社会の在り方をも示した。そんな高校球児に大きな拍手で称えたい。
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