正夢、逆夢、悪夢に吉夢。毎日見ているらしい夢でもすぐに忘れるものもあれば、ずっと覚えているものもあります。印象的な夢は、何かを暗示しているのではないかと気になりますね。今回、メルマガ『富田隆のお気楽心理学』著者で心理学者の富田隆教授が診断するのは、「親しく付き合い始めた女性をお姫様抱っこしようとして驚くことになった」という夢。憧れの女性とのお付き合いは幸せでも、無意識下では別のことを感じている可能性があると伝えています。
南国のリゾート地でお姫様抱っこ
Question
56歳男性、自由業、バツいちです。憧れの女性を「お姫様抱っこ」する夢を見ました。ただ、夢の中で、どうにも気になることがあり、相談させていただきました。
憧れのAさんはジャズシンガーで、とても魅力的な女性です。友人に誘われて、デビュー間もない頃から、Aさんのライブには通っていました。コロナ禍が拡がる前の、最後のライブが終わった後、コアなファン何人かと彼女を囲んで飲む機会があり、それ以来、彼女との距離が縮まって行きました。
身体の関係こそまだありませんが、「非常事態宣言」下の不自由な状況でも、知り合いのお店などでデートを重ね、親密になり、ゴルフの手ほどきなどもするようになりました。友人からも、「抜け駆けはズルいぞ」などと責められています。そんな、幸せな状況で、その夢を見たのです。
夢の舞台は、ハワイでしょうか、どこか南国のリゾート地です。Aさんと私の他にも、何人かの知り合いと一緒にバカンスを楽しんでいます。ボートで来た小さな島の周囲を散策していると、綺麗な小川に出合いました。すると、Aさんが、悪戯っぽく微笑んで、私に言ったのです。「ねえ。渡してくださる？」私は、もちろん二つ返事で、彼女をお姫様抱っこしました。その瞬間、私は彼女の重さに驚きました。
私は仕事の合い間にジムにも通っていて、筋肉もそれなりについているのですが、小柄で一見華奢に見える彼女のあまりの重さに、息が止り、バランスを崩しそうになったほどです。まるで、彼女の身体が金属でできているかのようで、80キロのバーベルより重かったのです。私は、よろめきながら、彼女を砂の上に降ろすのがやっとでした。息を弾ませ、「ごめん」と謝った私の顔を覗き込んだ彼女は、また、悪戯っぽく微笑みました。
夢から醒めて起きた時、私は汗をかいていました。あまり良い夢ではないと自分では思っています。先生の分析をお聞かせいただければ幸いです。
富田隆先生からの回答
この夢の要点は、彼女が「重かった」ということです。「重い」ということは、英語にも「彼女はheavyだ」という表現があるように、「とても魅力的だ」という意味を含んでいます。その一方では、「ローンの支払いが重荷になっている」といった使い方からも分るように、「心理的な負担」「心の重圧感」「プレッシャー」などの象徴でもあります。
つまり、Aさんは「魅力的」であると同時に、貴方にとって「心の負担」となる存在でもあるのです。遠くから、ファンの一人として応援している頃に比べ、特別に親しい関係となり、パトロン的な役割を果たすことも必要になった現在の状況では、貴方への「経済的・心理的負担」も、比較にならないほど「重く」なったのではないでしょうか。
意識面では「幸せ」な貴方ですが、無意識面では悲鳴を上げたい状況にいるのかもしれません。あるいは、現在ではさほどではないとしても、将来、彼女の存在が貴方にとって大きな負担になることを、無意識が警告しているのかもしれません。いずれにしましても、それなりの「覚悟」が必要ということではないでしょうか。
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