なぜ、「スタジオアリス」の経営方法をコンサルが参考にするのか?

 

スタジオアリスのドメイン

スタジオアリスは、現在全国に475店舗を展開しています。2020年の売上は3,635億円(前年比-6.5%)で、経常利益は前年比1.5倍です。写真館としては、ナンバーワンの位置にあります。

では、写真業界の数字はどうなっているでしょう。東京商工リサーチによれば、写真業界410社の売上は、

・2017年:2,004億円
・2018年:1,907億円
・2019年:1,820億円

と、年々減少していっています。デジタルカメラやスマートフォンの普及の影響ですね。単純に考えたら、写真を現像する人が減っているのですから、業界の売上は落ちるでしょう。そうした状況の中で、スタジオアリスは検討しています。

さきほどスタジオアリスは「ドメインを決めた」ことがポイントだと言いました。日経ビジネスの記事から、その「ドメイン」が推測できます。

それは、「誰に」は、「小さい子供を持った、生活に余裕のある親」、「何を」は、「自分の子供に対する愛情を表すニーズ」です。「どうやって」は、いくつもあります。

・写真撮影の経験が少ない社員に撮影をさせる
・何十枚もの写真を撮って、1枚を選んでもらう
・1人の社員が、撮影、着付、ヘアセット、メークまでする
・カメラマンは子供の笑顔を引き出すことに集中する

といったことです。要するに「経験がないスタッフでも顧客に喜んでもらう方法を効率よく提供する」ということになります。

今ではこうした手法の写真館は、多くあるようです。しかし、スタジオアリスはこの手法を1992年に始めました。先駆者の方法の表面を真似は出来ても、長年積みあがったノウハウを真似することは難しいです。

そして、スタジオアリスは、ドメインだけでなく経営計画書に必要なことをいくつも決めています。

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