電気自動車「環境に優しい」は本当か?リチウム採掘の景色に思う

 

自分は極端な政策は好まない。必ず無理が出るからだ。また一様な政策も好まない。一様に機能不全を起こすことがあり得るからだ。何事でもそうだが、やってみて初めて分かることも多い。一段階ずつ進めては評価し直し、それをフィードバックして次の段階のあり方を決める。一応これが理想形なのではないだろうか。

それを一気にやってしまえば、多くの無駄な部品、無駄な技術、無駄な人材を(結果としてだが)つくり出すことになる。環境について語る時「無駄」こそ一番の問題ではないか。

自分はもしかしたら環境問題に鈍感なのかもしれない。もっと切迫した心持ちで一気に一心にやらねばならぬものなのかもしれない。それでも、どこか金持ちの道楽的な、あるいは貴人やインテリの嗜み的な環境論にはどうにも違和感がある。それが環境問題、即ち、環境の問題である以上、自分とそれを取り巻くものとの関係こそが第一最大なのではないだろうか。言い換えれば、共有と共感が環境問題の本質なのではないだろうか。

同じ長屋の住人がゴミ屋敷をつくりなしてしまえば、隣家の者がいくら綺麗好きでも傍から見ればやっぱり長屋全体がゴミ屋敷に見えるだろう。その時、ともに汚れ、ともに片付ける覚悟がなければ、いつまで経っても「うちはうち」「よそはよそ」のままで長屋全体の大問題は解決しない。「自分だけがクリーンではいられない」。これが地球の住人に等しく課せられた「共有と共感」の問題なのである。

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ここにあるエッセイが『8人ばなし』である以上、時にその内容は、右にも寄れば、左にも寄る、またその表現は、上に昇ることもあれば、下に折れることもある。そんな覚束ない足下での危うい歩みの中に、何かしらの面白味を見つけて頂けたらと思う。

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【著者】 山崎勝義 【月額】 ¥220/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 火曜日 発行予定

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