3.地元YouTuberの育成
荒川区にも動画撮影を行っている企業、地元の情報を発信しているYouTuberは存在する。YouTubeの良さは、撮影や画像の完成度は高くなくても、簡単にタイムリーな情報発信ができることである。YouTubeで採算を取ることは意外に難しい。それほど簡単に広告がつくわけではないし、業者に撮影を依頼したのでは、更に経費が増大してしまう。
そこで遠回りのようだが、まずはYouTuber育成ワークショップを開設することを提案したい。例えば、「YouTubeによる地域貢献ワークショップ」というタイトルはいかがだろう。
講師は地元のYouTuberか動画制作会社にお願いする。ワークショップでは受講生と日暮里繊維街を取材に行く。事前に組合の協力を取り付けておくことは言うまでもない。そして、ワークショップの腕章を作り、それを付けている人なら店内撮影を許可してもらう。また、各店の担当者を設定してもらう。
画質を追求するわけではないので、原則として撮影はスマホで行う。そうすれば、受講生全員が動画を撮影し、それを編集することができるからだ。ワークショップの参加費で講師の謝金を支払うこととする。ワークショップを通じて、地元とのネットワークもできるので、講師にもメリットがあるはずだ。
ワークショップの動画は、「日暮里繊維街チャンネル」にアップしてもらうことがワークショップの条件となる。もちろん、個人の動画としてアップすることは認める。ワークショップ修了者で、本人が希望すれば地元で動画撮影による地域支援に協力してもらうこととしたい。
4.YouTubeと連携したリアルイベント
YouTubeは手段であって目的ではない。目的は、全国のクリエイターに日暮里繊維街を認知してもらい、日暮里繊維街に来てもらうことだ。そして、できれば、クリエイターの作品を日暮里で販売できるようにしたい。そうすれば、顧客にとって、日暮里繊維街は原材料の仕入れの場であり、同時に作品の販売の場になるからだ。そして、クリエイターの作品を購入したい新たな顧客も日暮里繊維街に集まってくる。
クリエイターの多くは、制作者であると同時に消費者である。どちらにも魅力がある街になって初めてクリエイターのメッカになることができる。例えば、日暮里繊維街周辺でクリエイターの販売イベントを行う。同時に、イデタチ東京でも展示会、販売会、ファッションショー等を行う。重要なことは街全体の広がりである。当然、その様子はYouTubeを通じて大々的に動画配信を行う。
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