先日掲載の「なぜ君たちは選挙区で負けたのか。甘利と平井『自画自賛』兄弟分の末路」等の記事でもお伝えしているとおり、一部与党の大物議員が選挙区で敗北を喫したものの、結果としては自民党が単独で絶対安定多数を確保することに成功した先日の衆院選。各メディアは直前まで自民党の苦戦を予想していましたが、何が「岸田自民」の追い風となったのでしょうか。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、自身も「キツネにつままれた気分になった」という当選挙の結果を分析・解説しています。
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消えた長蛇の列
10月31日投開票の第49回衆院選は、大方の予想とは逆の結果となりました。主要紙の大半は自民党が40から50議席を減らすと予想しており、中には「自民、単独過半数割れも」という記事までありました。しかし、実際には自民党は15議席減らしただけで261議席、唯一自民党の勝利を予想した朝日新聞の「265議席」がニアピン賞に決まりました。
あたしも自民党は大幅に議席を減らすと思っていましたし、何なら「73議席以上減らして自公で過半数割れしちまえ!」と祈っていたので、今回の結果には、ガッカリすると言うよりも、キツネにつままれた気分になりました。そして、この選挙結果よりも自分の目を疑ったのが、戦後3番目に低いという「55.93%」という投票率です。
あたしは20歳で選挙権を得てから今日まで、自分が投票できる全ての選挙に投票して来ました。2005年に期日前投票が導入されてからは、数回、期日前投票をしたこともありますが、それ以外は選挙の当日、同じ小学校の投票所へ行って来ました。いつも朝ごはんを食べてから投票に行くので、時間帯も毎回同じなのですが、いつもは人がポツポツいる程度で、投票所に着けば1秒も待たずに投票できました。
しかし、今回は、いつもガラガラの投票所までの道が、すでに人、人、人、まるでお祭りでもやっているかのようでした。そして、小学校に着くと、投票所がある体育館まで「長蛇の列」ができていました。こんなの初めてです。職員さんたちの手際の良い誘導で、それほど待たずに投票できましたが、あたしは「これなら高い投票率になるかも♪」と思いました。
そして、そのことをツイッターに投稿すると、あたしの他にも「投票に行ったら長蛇の列で驚いた」というツイートが「長蛇の列」の画像付きで次々と流れて来ました。午後3時を過ぎると、東京新聞編集局の公式アカウントが「衆院選『長蛇の列』に歓迎の声 『#選挙に行こう』とともにTwitterのトレンド入り」というツイートが流れて来ました。
衆院選「長蛇の列」に歓迎の声 「#選挙に行こう」とともにTwitterのトレンド入り#衆院選2021 #投票に行こう
東京新聞 TOKYO Web https://t.co/5GLjudU4Lq
— 東京新聞編集局 (@tokyonewsroom) October 31, 2021
このような状況だったので、あたしは「高い投票率」を期待する気持ちが、少しずつ確信へと変わり始めました。実際に自分も「長蛇の列」の最後尾に並び、数え切れないほどの「長蛇の列」の画像付きツイートを見たあたしの肌感覚では「最低でも65%以上、70%超えも夢じゃない!」という印象でした。
それなのに、フタを開けてみると戦後3番目に低い55.93%。各地の投票所から画像付きで報告された「長蛇の列」はどこに消えてしまったのでしょうか?あたしが並んだ「長蛇の列」は幻だったのでしょうか?本当にキツネにつままれた気分です。
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