新型コロナウイルス対策や環境問題対策に資金が注がれ、注がれる先に疑惑の目が向けられる──日本のことではなく、紳士の国イギリスでのことです。汚職スキャンダルで大揺れのイギリス政界とプライベートの問題でも苦境に陥るジョンソン首相の現在の状況を伝えるのは、メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』著者で国際政治経済学者の浜田和幸さん。24歳下の恋人が公邸を金の壁紙で模様替えしてしまい、その費用の工面にも苦労しているのだそう。ジョンソン首相は窮地を脱することができるのでしょうか。
知られざる内外の「ぶっちゃけ話」満載、浜田かずゆきさんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ
汚職スキャンダルで苦境に陥るイギリスのジョンソン首相
ぶっちゃけ、イギリスの政界が大揺れしています。つい先ごろ、国連主導のCOP26を開催したばかりですが、イギリスでは環境問題やコロナウイルス対策と称して、政府の資金が特定の政治家の係わる企業に横流しされていたとのスキャンダルが相次ぎ、ジョンソン首相は防戦一方です。
同首相曰く「イギリスは汚職国家ではないはずだ、議会も政府機関も腐敗しているとは思わない」。とはいえ、元愛人による「浮気と不倫三昧」を糾弾する暴露発言もあり、信用ガタ落ちのジョンソン首相です。
この2週間、ジョンソン首相の率いる保守党はコロナ用のワクチン購入に関する利益誘導に関して厳しい批判を受けています。パターソン大臣が職権を乱用し、私的な利益を得ていたというわけで、結局、議員辞任に追い込まれてしまいました。
実は、イギリスでは国会議員の兼職が認められています。そのため、360人の保守党の国会議員の内、90人以上は別の仕事をし、収入を得ているようです。労働党の場合には兼職議員は3人しかいません。
与党の保守党で閣僚経験者は特に派手な利益誘導活動に熱心に取り組んでいます。ジョンソン首相はこうした問題にメスを入れる姿勢を見せていたのですが、一転して、前言を翻してしまったため、猛反発を招いたわけです。
ジョンソン首相夫妻が住むダウニング街の公邸の内装を巡っても問題が発生しました。というのもジョンソン首相はイギリスの歴史をいくつも塗り替えており、その一つは24歳年下のガールフレンドを連れて公邸に移り住んだことです。
2番目の夫人と離婚協議中でしたが、離婚が成立する前に、ジョンソン首相の子を身ごもったキャリーさんと首相公邸で暮らし始めたわけで、世間をあっと言わせました。しかも、キャリーさんは知人のデザイナーに依頼し、公邸の全面的な模様替えを行ない、金の壁紙を使ったのです。そのため、国が定めた予算を7倍も超えてしまいました。
その差額をどう工面するかで、党が負担するとか、寄付金を募るとか、ひと悶着もふた悶着もあったのです。最終的にジョンソン首相が個人で負担するということになりましたが、「俺には金がない」とこぼしていた首相が、どう資金を工面するのか、いまだに決着がついていません。
そうこうするうちに、金の壁紙が剥がれ始めたため、補修工事が始まりました。ぶっちゃけ、イギリスが誇ってきた民主政治のメッキが剥げ始めたことを象徴しているようです。
知られざる内外の「ぶっちゃけ話」満載、浜田かずゆきさんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ
image by:Nick_ Raille_07 / Shutterstock.com