私たちが避けることができない生理現象として受け入れている、食後の眠気。職種によっては命に関わる睡魔ですが、試してみる価値大の予防法があるのをご存知でしょうか。今回のメルマガ『糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ』では、糖尿病専門医で糖質制限の提唱者としても知られる江部康二先生が、糖質制限食が眠気を解消するシステムを紹介。さらに心理的にも安定するとして、特に車の運転前の糖質制限食実践を提言しています。
効果バツグンの糖尿病治療法&メタボ対策「糖質制限食療法」がよくわかる江部康二先生のメルマガ詳細・ご登録はコチラ
「糖質制限食」で食後の眠気が改善すれば交通事故が激減する
今回は、食事と眠気についての考察です。
<食後の眠気は糖質摂取のせいである>
ごく普通に食事をしている場合、食後の眠気はあって当たり前であり、誰でもそんなものだと思っている人が多いと思います。
確かに、糖質を普通に食べている場合は、食後の眠気は、ごく当たり前に出現する可能性が高いと思います。
空腹時血糖値が80mg/dlくらいの糖尿病ではない人が、糖質を摂取して約1時間程で140~150mg/dlに上昇すると、60~70mgの変動幅があります。
そうするとぼーっとしたり眠たくなったりします。
また、140~150mg/dlくらいから、1時間で急速に80~90mg/dlくらいに下がると、血糖変動幅は60~70mgあるのでやはりぼーっとしたり眠たくなったりします。
食後の眠気~居眠り運転は、交通事故の大きな要因であり危険です。
<糖質制限食なら食後の眠気がない―安全運転>
しかし、食後の眠気は、「糖質制限食」実践なら、まずなくなります。
つまり、食後の眠気出現は、実は糖質摂取が元凶と考えられます。
2016年、大阪で「糖質制限食」の講演をしたときの質疑応答で、会場の参加者の方からご意見を頂きました。
「タクシー会社の事務職をしていますが、運転手の勤務時間中の食事は『糖質制限食』にしています」
とのことでした。
タクシー会社さんの名前は確認できていないのですが、とてもリーズナブルな素晴らしいルールだと思います。
運転中の眠気に伴う事故が予防できると思います。
タクシー会社だけでなく、バス会社、トラック運送業、宅配便…などにおいても、ドライバーの方々が、勤務時間中だけでも「糖質制限食」を実践して頂けば、食後の眠気がなくなり、居眠り運転は激減し、それに伴う交通事故も激減すると思われます。
職業ドライバー以外の一般のドライバーにおいても、運転前の食事だけでも「糖質制限食」にして頂けば、食後の眠気がなくなり、上記と同様の効果が得られると思います。
<糖質制限食で心理的に安定する―安全運転>
糖質制限食実践により、食前・食後の血糖変動幅が極めて小さくなるので、心理的に安定します。
それにより、運転中のイライラなどのネガティブな感情も生じにくくなるので、安全運転が当たり前となり、こちらの面でも交通事故予防になると思います。
<糖質制限食でも眠気が改善しない場合>
糖質制限食でも改善しない眠気は、特殊例であり、「睡眠時無呼吸症候群」などの存在を考慮する必要があります。
<ドライバーの皆さんへの提案>
ドライバーの皆さん、食後、ある程度以上の時間、車の運転をすることがわかっている時は、是非「糖質制限食」を実践しましょう。
それにより、食後の眠気がなくなり、心理的に安定します。
簡単に試すことができますので、是非よろしく御願い申し上げます。
効果バツグンの糖尿病治療法&メタボ対策「糖質制限食療法」がよくわかる江部康二先生のメルマガ詳細・ご登録はコチラ
image by: Shutterstock.com