内閣府は21日、北海道から東北地方の太平洋沖に延びる「千島海溝」と「日本海溝」沿いでマグニチュード(M)9級の巨大地震が発生した場合の被害想定を公表。その「最悪の場合の死者数」に、ネット上では驚きの声が多くあがっている。それは、あの東日本大震災の死者数約1万8000人を10倍以上も上回る、19万9000人と発表されたからだ。
今回の発表は、内閣府の中央防災会議内に令和2年4月より設置された作業部会「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震対策検討ワーキンググループ」がまとめたもので、これまで9回 の会合が開かれ、被害想定が初めて公表された。
● 日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定について(内閣府)
このうち、「日本海溝モデル」で冬の深夜にM9クラスの地震が発生した場合、建物倒壊による死者は60人、急傾斜地崩壊による死者も20人と少ないが、津波による死者は「早期避難率」が低かった場合19万9000人、高かった場合でも4万7000人が亡くなると試算された。つまり、最悪のケースとして、3.11の10倍にものぼる死者が出る可能性があるということだ。
産経新聞の報道によれば、この「日本海溝モデル」について、地震の発生時期や住民の早期避難率を基に6ケースについて被害を分析。最悪のケースで、死者は北海道が13万7000人で最も多く、次いで青森県4万1000人、岩手県1万1000人、宮城県8500人と推計された。経済被害は31兆3000億円に及ぶという。
また、「千島海溝モデル」の場合でも、死者は最大で北海道8万5000人、青森県7500人などと算出された。こちらの経済被害は16兆7000億円となっている。
以下は、令和2年4月に公表された各地の想定震度分布図であり、この図から「日本海溝モデル」と「千島海溝モデル」の被災地エリアを想定することができる。もし日本海溝・千島海溝沿いで最大クラス(M9)の地震が発生した場合、北海道の厚岸町付近で「震度7」、青森県太平洋沿岸や岩手県南部でも震度6強という揺れが起きる可能性があるという。
そして、最も恐ろしい想定が「津波」だ。同じく令和2年4月に公表された同地域同クラスの津波高等の推計では、三陸海岸沿岸の岩手県宮古市で約30m、青森県八戸市で26.1m、岩手県中部以北は東日本大震災よりも津波高が大きいとの推計が出た。先の東日本大震災でも、揺れによる被害者より津波で多くの人々が命を奪われ、現在も多くの人が津波によって行方不明のままとなっている。なお、今回の試算に同地震で起きる可能性がある原発事故による被害者数および経済損失額などの影響は評価していない。
この恐ろしい被害想定の公表に、ネット上では自然災害の脅威や防災の大切さ、情報収集の必要性から普段の心構えについてなど、さまざまな感想が投稿されている。
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Twitterの反応
千島・日本海溝の津波予想、釧路や厚岸が壊滅するのはわかってたけど、そういや日高も町がだいたい海沿いにあるから壊滅するんですね
— りゃなん (@ryanan487) December 21, 2021
日本海溝地震対策すれば死者8割減らせるって言ってるけどそれでも4万てやばくない????
— ざか (@bk_pokopi15) December 21, 2021
南海トラフ巨大地震、日本海溝巨大地震 これでは本当にテレビ放送されてた日本沈没もあながち想像だけの話ではありませんね
— ヘモグロビンA1c (@3qLvWoSWweZOZVl) December 21, 2021
日本海溝地震とか、マジで勘弁してほしい
10年前に、大変な目の遭いました
もういいでしょ😑— 20618💜 クソリプ不要💉💉コンプリート (@paakokooko20618) December 21, 2021
千島海溝日本海溝の地震で約20万人が…って予測怖すぎるのですが
— きよし (@newyear_eve66) December 21, 2021
備えあれば憂いなし
気象庁などの公的機関の情報を参考にするのはもちろん、地震の予知に関する研究を続けている機関の発行するメールマガジンを購読することも、防災に繋がる準備の一つ。避難経路の確認、防災グッズの準備、そして地震メルマガの購読などで事前に情報を得ておくことは、来るべき巨大地震への備えになるだろう。今一度、改めて身の回りの「防災準備」をチェックしてみることをオススメしたい。日本の地殻変動はまだ始まったばかりだ。
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