自分の国を信用しない中国人。日本人とわかり合えない当然の理由

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ワールドワイドにビジネスを展開していく上で、中国は外すことができない存在です。しかし、日本をはじめ欧米のルールが通用しない中国において、ビジネスで参入することはかなりの苦労を伴います。どんなことに気を付ければよいのでしょうか?そこで、無料メルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』では、中国人と日本人の違いを紐解いたうえで、中国ビジネスに日本人が入っていく際の注意点などを一冊の本を通して紹介しています。

【一日一冊】中国人と日本人

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中国人と日本人

邱永漢 著/中央公論新社

日本人は職人であり、中国人とは商人と言われますが、中国と日本でビジネスをしてきた邱永漢さんが、経験を含めて中国人というものを教えてくれる一冊です。

1993年の本なので1997年に香港が中国に返還されることになっていたのですが、「一国二制度で50年間資本主義維持」を信用している中国人は少なかったといいます。

なぜなら中国人は、国というものを信じていないからです。中国人にとって国のイメージは軍閥が勢力争いをして、勝ち残った勢力が支配者として君臨しているにすぎないのです。

そして支配者の対抗勢力は粛清されたり、一族郎党抹殺されることもあり、こうした社会の中で中国人は生き抜いてきたのです。

中国側は「一国二制度」を採用することによって、以後50年間、香港で資本主義体制を維持することを英国に保証している…香港住民で中国政府の言うことを額面どおり信用する人はあまりいない(p94)

つまり、中国とは中国人でさえ生きにくい社会であり、だからこそ自分の血縁や人脈を非常に大切にするわけです。

役人は法律を利用してワイロを要求するし、商売人はうまくやって役人から法律の抜け穴を教えてもらおうとする社会なのです。

そこにお金と技術と誠意を持った日本人が、ろくに言葉もわからずに中国ビジネスに参入しても苦労することは目に見えているのでしょう。

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