入院が伝えられたマレーシアのマハティール元首相。96歳と高齢で心臓に持病があるため、多方面から心配の声が上がりましたが、どうやら回復基調にあるようです。一方で、マハティール氏の最新の著書の記述が物議を醸していると伝えるのは、メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』著者で国際政治経済学者の浜田和幸さん。マレーシア国内にいる中国人が箸を使うことを批判し、猛反発を受けているようなのですが、マハティール氏の意図はどこにあるのでしょうか。
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マハティール元首相は新著で中国人の箸文化を批判:各方面から猛反発
現在96歳のマレーシアのマハティール元首相の健康状態が危ぶまれています。通算24年間も最高指導者として君臨してきましたが、2度目の首相の座に就いた時は92歳でした。世界最高齢の国家指導者としてギネスの記録を書き換えたものです。
そんなマハティール氏ですが、12月16日、クアラルンプールの国立心臓病センターに緊急入院することになりました。これまで何度か心臓病の治療を受けており、バイパス手術も経験しているため、与野党問わず、早期の回復を願う声が多方面から聞かれます。
幸い、入院先の病院からは「容体は安定してきたので、ここ数日以内には退院できるだろう」との説明がありました。
本人はブログでの情報発信に力を入れており、最新のコメントは「多くの皆さんにご心配をおかけし、申し訳ありません。一刻も早く元気を回復し、大水害で困っている皆さんの元へ支援に駆け付けたいと願っています」とのこと。96歳にして、国民のことを思う、この情熱には頭が下がります。
そんな熱血漢のマハティール氏は、去る12月12日、新著『Capturing Hope: The Struggle Continues for a New Malaysia』(希望を失うな:新生マレーシアのための戦いは続く)を世に問うたばかりでした。
この304ページに及ぶ大書を通じて、マハティール氏は2018年に誕生した連立政権では内部対立に足を引っ張られ、思うような改革を実現できなかったことへの反省と悔しさを率直に語っています。
と同時に、この本の中では一部の人々が「まさか!」と驚いた意外な発言が記載されていました。それは中国人の箸文化に関する批判的な見方です。
マレーシアは多民族国家で、中国系も多数暮らしています。マハティール氏曰く「マレーシア人は食事の際には指を使って食べます。ところが、中国人は箸を使っています。マレーシアでマレーシア人として暮らすなら、マレーシアの伝統文化に従って指で食べるのが、民族融和の大原則です」。
この中国人の箸文化への批判には中国系マレーシア人をはじめ、各方面から反論が殺到してしまいました。ナジブ前首相に至っては自らのFacebookにマハティール氏が中華料理の「ユーシェン」(野菜の上に生の魚を載せたサラダ)を箸で食べている写真をアップし、「二枚舌」を批判する有様です。
退院した後のマハティール氏が、この「箸騒動」にどう決着をつけるのか、大いに興味をそそられます。
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image by:IZZ HAZEL / Shutterstock.com