姑息な自公政権。財務省が返せぬ6千億円の借金を自賠責保険料に上乗せの卑劣

 

現在、財務省の借金の残債は6,013億円ありますが、これは20年以上も前に一般会計の補填として、自賠責保険の運用益から借りた1兆1,200億円の残りです。通常、予算は単年度決裁なので、こうした借金は一括返済が基本です。しかし、財務省は、安倍政権下の2017年まで、この残債6,013億円の返済に全く応じず、ずっと先送りして来たのです。

そして、2018年に、ようやく返済が再開されましたが、財務省が返済したのは僅か23億円だけ、一般の消費者金融なら利息分にもなりません。2022年度の返済額は54億円に増額されることが決まりましたが、このペースで返済していたら、完済までに100年以上かかってしまいます。

それでも、保険制度が破綻せず、保険加入者の負担が増えなければ、特に問題はありません。しかし、現状は赤字なのです。自賠責保険制度では、交通事故で障害を負った被害者の治療やリハビリを請け負う療護センターの運営などの救済事業を行なっています。こうした救済事業には、年間約144億円の運営費が掛かっているのですが、自賠責保険は金利が低くほとんど運用益が得られないため、毎年、保険制度の原資である積立金を取り崩した「持ち出し」で穴埋めして来たのです。

昨年2021年度は、144億円のうち半分の77億円を積立金で穴埋めしました。この積立金の残高は約1,500億円なので、現在の状況のままなら、約20年後には積立金がゼロなり、保険制度は破綻します。それもこれも、財務省が借金の一括返済に応じず、返済を引き延ばし続けていることが原因で、サクッと6,013億円を返済してくれれば、全ては丸く収まるのです。しかし、この借金返済の引き延ばしは、過去5回にわたり、国会閉会直後の国交大臣と財務大臣との大臣折衝で、無条件で繰り返されて来ました。

自公政権での国交大臣と言えば公明党の指定席ですから、言わば「自民党と公明党による国民無視のお約束」というわけです。そして、今回の大臣折衝でも、返済期限も決めずに、マッハのスピードで6回目の引き延ばしが決まったのです。ま、ここまでは前回と同じ「お約束」ですが、1つだけ前回までと違ったことがありました。それは、自民党の鈴木俊一財務大臣が「こんな巨額な借金、とてもじゃないけど返済は無理だ!」とケツをまくったのです。

議事録など作成しませんので、実際にどのような言葉づかいだったのかは知る術もありませんが、とにかく財務大臣は「借金返済は不可能だ」と言い、国交大臣が「でも、このままじゃ約20年で積立金がなくなってしまう」と返すと、財務大臣は「じゃあ保険料を引き上げて保険加入者に負担させろ」と言い、国交大臣が「オッケー!」と答えたのです。そして、本来は借金をした政府(財務省)が返済すべき残債の6,013億円が、全国の自賠責保険の加入者に丸投げされたのです。

自賠責保険制度の救済事業の運営費の不足分を「賦課金」という形で保険料に上乗せする、ということが、国会の審議も経ずに、密室の中で、自民党の財務大臣と公明党の国交大臣によって決められたのです。「賦課金」などと名目を付けて上乗せしても、実質的な「保険料の値上げ」に変わりありません。それなのに、大臣同士で取り交わされた覚書には、次のように明記されたのです。

賦課金制度について、2023年度以降の可能な限り速やかな導入に向けた検討を行い、早期に結論を得ることとする。

そして、国交省は、大臣折衝の5日後の12月27日の検討会で、とりあえず賦課金を年100億円とする案を提示しました。国交省は、今年の秋まで検討会を重ねて最終案を取りまとめ、秋の臨時国会が閉会した翌日の大臣折衝で、これまた公明党の国交大臣と自民党の財務大臣が「阿吽の呼吸」で決定するわけです。

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