企業が存続し続けるには、明確な将来へのビジョンが必要だと誰もが思います。しかし、過去と今があって初めて輝かしい「将来」につながります。
会社を創った「名もなき英雄」たちの思いを、会社という「場」に集い一緒にパンを食べる仲間がいて初めて、会社がチームとして機能し、1+1=3、4、5…といった具合に生産性が向上する。単にいい部品を集めるなら、会社である必要などないのです。この当たり前を大切にしない会社に、どんな存続する意義があるのか?是非とも、経営者に考えていただきたいです。
少々話が広がってしまいましたが、私が受けた取材では、「管理職の孤独」がテーマでした。リモート勤務が増え、リアルで顔を合わせない関係に居心地の悪さを覚えるミドル世代が増えていることに、意見を求められました。誌面(1月1日付朝刊 日経新聞)に掲載されたのは以下のコメントです。
──「管理職としての存在意義が分からなくなった」。働き方を研究する健康社会学者の河合薫さんは6月ごろ、大手企業で課長を務める50代男性の悩みを聞いた。飲み会でのアドバイスなどこれまで通りの部下との接し方ができずに不安感が募っていたという。
河合さんは日本の管理職は実質的な裁量を与えられずに立ち位置が曖昧で孤立しやすいと感じている。「メンバーの力を引き出す本来の管理職を育てられるかが、仮想オフィスの成否のカギを握る」とみる。
実際の取材ではさまざまなことを話しましたが、「管理職」とは何なのか?ということも根底から見直さない限り、仮想オフィスもなにもあったもんじゃない。
コロナ前の「働き方改革」は、「働かせ方改革」でした。そして、今の「働き方改革」は、いつでも替えがきく「ロボット」のように社員をあつかっているように思えてなりません。
コロナ禍で飛躍的に進んだ技術の進歩を、「人」が「人らしく働く」ためにどう活かせばいいのか?「一緒にパンを食べる仲間」としての会社を、どう発展させ、生産性を向上させるのか。「人の可能性を引き出す働き方改革」を進めてほしいです。
みなさんのご意見、お聞かせください。
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