トランプ“再敗北”ならクーデター必至か。米国の民主主義を殺す「4億丁の銃」

 

今秋の中間選挙から始まる暴力沙汰

トランプ側でどれほど具体的な“クーデター計画”が練られているのかは分からないが、恐らく2段階があるだろう。

第1に、今年秋の中間選挙に向けて共和党が優勢な州を先頭に何と43の州で、選挙の投票そのものに参加しにくくする制度改悪が議論されている。ジョージア州では少数民族の住民が多い地域を中心に投票所の数を減らされた。アイオア州では期日前投票の期間が短縮された。いずれも、露骨なことに、民主党支持者が投票しにくくなるようにする改変である。

ということは、この段階ではまだトランプ陣営は、選挙そのものをボイコットせずに、このような制度改悪によって何とか議席を確保しようとするつもりなのだろう。それで共和党候補者が勝利すれば、今度は民主党支持者が制度改悪による票の簒奪を非難して大規模デモに立ち上がるかもしれず、そうするとトランプは「民主党系の暴徒を鎮圧せよ」と呼号し、各地で共和党系の武装集団が出動する。民主党候補者が制度改悪を乗り越えて勝利した場合も、結果は同じことで、共和党系は「選挙に不正があった」と騒ぎ立て、武装デモに立ち上がるだろう。

第2に、その中間選挙の結末にもよるけれども、恐らくトランプは、24年の大統領選挙に向かっては、もちろん自ら立候補は表明するものの通常の選挙活動は一切行わず、支持者に対しては投票ボイコットを呼びかけ、最終的には議事堂を武装占拠して自分を大統領に担ぎ上げることを求める“直接民主主義的”手段?に訴えるかもしれない。

つまり、米国流民主主義はもはや死の寸前で、他国に呼びかけて「民主主義サミット」など開いている場合ではないということである。

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