早めに糖質制限食を。早期発見でも「がん」発生は“10年以上前”という現実

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医療技術の進化で早期発見が可能になってきた「がん」。最新のPET(Positron Emission Tomography:陽電子放射断層撮影法)検査では、従来の半分ほどの大きさのがん細胞を発見できるようになったと言われています。しかし、それでも最初の1個のがん細胞が発生したのは10年~20年も前なのだとか。メルマガ『糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ』著者で、糖質制限の提唱者としても知られる医師の江部康二先生は、生活習慣病型がんを予防する「スーパー糖質制限食」も、始めて20年は安心できず、できるだけ早く始めることを推奨しています。

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早期がん診断時にはすでに10年以上が経過。糖質制限食で予防は?

今回は、糖質制限食とがん予防のお話です。現実にどのていど予防可能かを考察してみます。

実は、がん細胞が発生してから、画像診断的に発見可能な大きさになるのには、かなり長い年月がかかります。正常細胞ががん細胞に変わり、体が排除に失敗すると、がん細胞は徐々に成長を始めます。

細胞分裂により1個が2個になり、2個が4個、4個が8個、そして16個、32個、64個と倍々で増加していきます。30回分裂を繰り返すと、約10億個に増え、重さは約1グラム、直径1cm程度になります。細胞1個が0.01mmで、1cm経になるのに10~20年かかります。

個体差やがんの種類によっても発育速度は異なります。がん細胞が生まれてから活発に成長するようになるまでは、長い期間がかかります。しかし、がん細胞は成長するにしたがって、発育速度が速くなるとされています。2倍の大きさになるのは、例えば早期胃がんでは数年(2-6年)、進行がんでは数ヶ月、転移した胃がんでは数週間とされています。

従来のがん検診では、腫瘍の大きさが1cm程度にならないと発見できませんでしたが、PET検査では、早期の5mm程度の大きさでの発見が可能です。しかしながら、5mmや1cmで早期発見したがんということでも、がん細胞が発生してから、すでに約10~20年間が経過していることとなります。

「スーパー糖質制限食」で理論的には、『生活習慣病型がん』の発生予防が期待されるとはいっても、すでに発生しているがん細胞の縮小には「ケトン食」レベルの厳しい食事が必要かもしれません。対策としては、がん細胞が発生する前に、間に合う内にできるだけ早く「スーパー糖質制限食」を開始して予防を期待するということになるでしょうか。

江部康二は2002年~スーパー糖質制限食を実践しています。2022年現在で、20年間です。従って、2002年以降は、いわゆる『生活習慣病型がん』の発生は、ほぼ予防できている可能性が高いです。一方で、2001年以前に、すでに原初のがん細胞が1個発生していたとしたら予防はできないこととなりますが、幸いその可能性は低いです。

●参考記事:
がんについて(がん検査と基礎知識)|PET検査ネット

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(財)高雄病院および(社)日本糖質制限医療推進協会 理事長。内科医。漢方医。京都大学医学部卒、同大胸部疾患研究所等を経て、1978年より医局長として高雄病院勤務。2000年理事長就任。高雄病院での豊富な症例をもとに、糖尿病治療、メタボ対策としての糖質制限食療法の体系を確立。自らも二型糖尿病であるために実践し、薬に頼らない進行防止、合併症予防に成功している。

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