極めて巧妙。橋下徹氏と「ヒトラー」の演説を比較して判った“共通点”

 

両演説の共通点をまとめると、次のようになると思う。

国を再生するために頑張るべきはあなた自身だ。優秀な民族なのだから必ずできる。ともに栄光への道を進もう。

この構成で「敵」を仕立て上げれば、その敵が誰であれ、憎悪をかきたてる効果があるだろう。

もちろん、ここに取り上げたのは長い演説のごく一部である。もとより筆者は、橋下氏の発言内容を否定したいわけではない。「既得権を持っている人、団体を一回リセットし、若手のベンチャー企業に幅広く機会を提供する」など、共感できることも数多い。良し悪しは別とし、あくまで、橋下氏とヒトラー演説の巧妙さについて書いているのである。

菅直人氏が以上のように演説の比較、分析をしたかどうかはわからない。おそらくは、速射砲のごとく言葉を繰り出して相手を圧倒し、聴衆を引きつける橋下氏のイメージによるものだろう。問題のTwitter投稿を確認しておこう。


橋下氏をはじめ弁舌は極めて歯切れが良く、直接話を聞くと非常に魅力的。しかし「維新」という政党が新自由主義的政党なのか、それとも福祉国家的政党なのか、基本的政治スタンスは曖昧。主張は別として弁舌の巧みさでは第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす。

ヒトラーを思い起こすのが橋下氏の弁舌だけなのか、維新の誰かを含むのかが紛らわしい。そのため維新に立憲攻撃の材料とする余地を与えてしまった。

菅氏に最初にかみついたのは維新代表、松井一郎大阪市長だった。1月22日のTwitter投稿。


元総理であり現在も立憲の最高顧問の菅さん、貴方何を言ってるか?解ってるんですか!民間人と我々をヒットラー呼ばわりとは、誹謗中傷を超えて侮辱ですよね。立憲は敵と思えばなんでもありという事ですか?正式に抗議致します。

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