「連合」は問題視せず?検事が“労組脱退”を迫る信じられない日本の実態

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生コンクリートの調達を巡り、威力業務妨害などの罪に問われた全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部の組合員に対する公判で、取り調べの際に検察官が組合脱退を迫る様子が映像として流れたと報じられています。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、評論家の佐高信さんが、検事の生の言葉を紹介。労使は「共闘」の関係でなければならないとするセゾングループ代表時代の故堤清二氏の言葉を引いて、「自民党へのオネダリ機関となって久しい」と評する連合に苦言を呈しています。

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検事が組合からの脱退を迫った!

連合が自民党の下部機関、あるいは自民党に対するオネダリ機関となって久しいが、最近は裁判所や検察までが労働組合を反社会的存在として敵視している。

いま、数少ない闘う労働組合の関西生コンはとてつもない弾圧を受けているが、その裁判で検察官が組合脱退を迫るという信じられないような実態が明らかにされた。

2018年11月28日、大津地検の検事、横麻由子が組合員の山本智に次のように働きかけたのである。その動画が法廷に流れ、裁判長らは食い入るようにそれに見入ったという。山本はすべて「黙秘します」で通しているので、検事の横の執拗な問いかけだけ引く。

「他の労組員はコンプライアンス活動が大変や、ストレスに感じている人がいる。間違っていると思っていなければストレスに感じないはずですよね」

 

「戻った時に、また活動を続けるんですか、それともこれを機会に考え直すのか。ちょっとでも疑問を感じることがあるなら、これを機会にもう一度考え直すこともできると思う」

 

「今後も活動を続けて、また逮捕されるかもしれないと思いながら続けるのは、しんどくないですかね」

 

「少しでもおかしい、しんどいと思うなら、続ける必要があるんでしょうかね。ずっと続けていくのはどうなんでしょうかね」

 

「暴力団とかで上が恐いから話せませんとか、自分のために話せない、自分のポリシーとか、いろいろある。誰かが恐いからとか、しゃべると組織内で待遇が悪くなるとかあるんですね」(1月18日付 全日建(連帯ユニオン)発行 関西生コン弾圧事件ニュース68号)

これが分かっているだけでも、12月6日、12日と続いた。無罪の判決も出ているし、大体が正当な労働組合活動なのである。それなのに被告とされて検事からこんな“脅迫”を受けたら、それこそこれ以上ないストレスとなるだろう。

しかし、ほとんど自民党と同じ考えになった連合の幹部たちからは関西生コンの運動はハネアガリ視されている。だから賃金は上がらず、企業の内部留保は484兆円にもなるのである。

辻井喬というペンネームをもつ作家で詩人でもあったセゾングループ代表の堤清二がこう喝破している。

「私は、労働組合と企業側は本質的に利害が反するので、その間の激しいやりとりとか闘争がないのはおかしい、闘争そのものをなくしてしまおうというのが労使協調で、それじゃ組合がある意味がないではないか、と言っているのです。労使協調ではなく、労使共闘でなければならない、とね。

 

たとえば、労働組合は、内部批判者の役割を果たしてこそ存在意義があるのだ、と私は考えています。労働組合は現場に密着しているところに根を張っているわけですから、現場の矛盾とか、お客さんの苦情などが、ナマの形でわかり、自分の会社の政策はどこが間違っているか、最も素直に吸収できるわけですよ」

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