急増する「身内の不幸」への嘆き。3回目接種の遅れはなぜ起きたのか?

 

オミクロン株が急速に拡大すること、3回目のワクチン接種が効果があること、軽症者が多い=重症化しないわけではない、ということは、先行して拡大した海外ですでに確認されていました。感染者が拡大すれば自ずと高齢の感染者も増加し、医療現場が逼迫することは、これまでの経験で学んだはずです。

実際、すでに多くの病院で看護師の負担が激増し、高齢者の“介護”に翻弄されています。寝たきりの高齢者のおむつ交換をしたり、床ずれを防ぐために体を動かしたり、食事の介助などで人手が足りなくなっている。たとえ病床が空いていても、現場の負担感は危機的な状態です。それでも救えない命がある。数字だけでは見えない「現場の力」の影で、救えなかった命に苦悩しているのです。

14日の衆議院予算委員会で、後藤厚生労働大臣は、高齢者施設の利用者や職員への接種を、「できるだけ早期に終えられるよう最大限の努力をする」と繰り返しました。

最大限の努力──。これまで何度も、何度も、本当に何度も、この言葉を聞かされてきました。なぜ、2ヶ月前にその努力をしなかったのか。

「インフルエンザと変わらない」と豪語する人たちは、何を根拠に「変わらない」とするのでしょうか。検査キットも足りない、経口薬も足りない、在庫がどうなってるかもわからない。かたや、8000万枚もの大量の在庫となったアベノマスクは「送料10億円」だのとサラリと報じられている。10億あれば、都内のクリニックでPCR検査を3万3300回分はできる額であるにも関わらずです。

日本人って…なんでこんなにも怒らないんですかね。これも全て税金なのに。

そもそも「経済を回す」というけど、日本の没落は、コロナ前からすでに始まっていました。コロナでパンドラの箱があいただけなのに、「コロナ」のせいにしているだけではないのでしょうか。「数字」では見えない物事を本質を、考える力が今の日本には欠けているのかもしれません。みなさんのご意見を、ぜひ、お聞かせください。

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