忙しいというのは、この無為の時間が「悪」になる環境をいうわけです。クソ忙しい時にボーッとしていることは許されませんからね。そうすると必然的に、早く、なんらかの答えを見つけ出そうとする方向に心は動くわけです。これがアカンのですよ。
そうではなく、ただ時間がゆったりと流れるところに自分を置いて、流れるがままに任せ、その状態で答えを、結論を出すことを目的とせずに、そのテーマについて考え続けることを、「深い思考をする」というのです。
そのために露天の温泉に浸かって、ビールでも飲みながら、ボーッとできる情況を定期的に作るべきなんです。その時には、「~すべき」という概念が存在したらならないのです。本来のリラックスってこういうことですから。
時間がゆったりと流れていることを実感しながら、答えを求めず、今日のこれからのことも考えず、身体を伸ばして、でも脳みそはそのことにフォーカスして考え続けるのです。
ですからこれは時間に追われていたら不可能なんですね。考えている最中に電話が鳴ったらダメなんです。誰にも声を掛けられずに、好きなだけそのことに対する思考を深めることができる情況を作るのです。
人生を変えるような大きな決断をする時には、一度このセットアップをした上で思考してみてください。時間に追われてセコセコとした気分で出した結論とは、質が異なるモノが出てきますから。
特に経営に近い層の方は、この習慣を持つべきだと思いますよ。優秀な経営者は、そういう時間を定期的に持っているモノですから。
簡単なやり方は、土日のどちらかを完全に開けて、昼間にぬるめのお風呂に浸かって、酒でも飲みながらボケーッと考えることです。その際に、家族には決して声を掛けないこと、電話も取り次がないことをお願いしたら良いと思いますよ。
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