スパイ容疑の日本人を「獄中死」させている中国が日本の情報を抜きまくる皮肉

 

解説

日本でスパイ防止法案が最初に立案されたのは1985年と随分と昔です。

当時の野党が反対したのはもちろんですが、「憲法が保障する表現の自由に抵触する」として3大新聞(朝日、読売、毎日)等のマスコミからも批判の対象とされて廃案となりました。

以来、基本的にはマスコミはスパイ防止法案に反対の立場をとっています。

この記事のように「中国が日本人をスパイ容疑で逮捕しそのまま獄中で亡くなっている人がいる」ような事を大きく報道する新聞・TVが少ないのは、こういった過去の経緯があるからかもしれません。北朝鮮の拉致被害者の報道とは大分違います。

しかし、今の中国の日本における情報収集活動は常識を超えています。

例えば現在、中国は共産党の党員が3人以上いる企業では、『会社法』と『中国共産党規約』によって、中国共産党組織を設置しなければなりません。

これは日本企業も例外ではありません。中国人が3人以上働いている日本企業の中には、いつのまにか中国共産党組織ができている場合があるのです。

その日本の会社内の中国共産党組織が、先進技術の流出拠点となる可能性があります。

スパイ防止法でそれを未然に防ぐのは当然の対策に思います。

亡くなった初代内閣安全保障室長、佐々淳行氏は、次のように述べています。

「我々は精一杯、スパイと闘い、摘発などを日夜やってきたのです。でも、いくらスパイを逮捕しても、せいぜい懲役1年、しかも執行猶予がついて、裁判終了後には堂々と大手をふって出国していくのが実体でした。

なぜ、刑罰がそんなに軽いのか──。どこの国でも制定されているスパイ防止法がこの国にはなかったからです」

現場の無念さが伝わってくる言葉です。正しい現状認識に基づく議論が必要と考えます。(この記事はメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』2月20日号の一部抜粋です。この続きをお読みになりたい方はご登録ください。初月無料です)

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大澤 裕この著者の記事一覧

・株式会社ピンポイント・マーケティング・ジャパン 代表取締役社長  ・情報経営イノーベーション専門職大学 客員教授 ・法政大学大学院イノーベーションマネジメント研究科 兼任講師 慶應義塾大学を卒業後、米国バンカーストラスト銀行にて日本企業の海外進出支援業務に従事。カーネギー・メロン大学でMBAを取得後、家業の建築資材会社の販売網を構築するべくアメリカに子会社を設立。2000年、ピンポイント・マーケティング・ジャパンを設立。海外のエージェントとディストリビューターを使った販路網構築・動機づけの専門家として活動を行っている。2015年「中小企業が『海外で製品を売りたい』と思ったら最初に読む本」を、2017年「海外出張/カタログ・ウェブサイト/展示会で 売れる英語」をダイヤモンド社から上梓。

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