自宅で待つ必要なし。宅配便の受け取り可能なトランクルームの先見性

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年々増え続けるニーズを追い風に、順調に業績を伸ばし続けているトランクルーム大手のキュラーズがこの3月、業界に先駆けてスタートした新たな試み。それはまさに「顧客の不便」を解消し、選ばれる企業となるための手本のようなサービスと言っても過言ではないようです。今回のメルマガ『理央 周の売れる仕組み創造ラボ【Marketing Report】』ではMBAホルダーの理央 周さんが、同社が開始した新サービスの内容を詳しく紹介するとともに、その優位性を解説しています。

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モノとコトを“同時”に売る~キュラーズに学ぶ付加価値の付け方

トランクルームのキュラーズが、宅配便の受け取りを全国のトランクルームでできるようにすると発表しました。

ネット通販などで買ったものを受け取る時に、不在だったりすると再配達をお願いしなければなりません。

また、ヤマトなどはメール会員になると、宅配時間の指定もできるのですが、ピンポイントで12時ちょうど、などとはできなくて、12時から14時の間となるので、その間は家にいなければなりません。

それにコロナ禍の中では、できる限り人と接触したくない、という人も増えてきているので、便利なサービスですよね。

日経新聞によると、トランクルーム利用者の依頼を受けて、各店舗のキュラーズの社員がその荷物を出し入れする、という仕組みだそうです。

ゴルフバッグの配送や、ネット通販で買った商品の収納などを、ニーズとして見込んでいるそうです。スキーやスノボーなんかの需要もありそうですし、ビジネスパーソンであれば、出張の時の洗濯物や着替え、書類などを、出張先から送っておく、ということもできそうです。

1回に出し入れできる個数は、規定の大きさの箱であれば3箱まで、利用できる回数は月に2回をまでとのことです。月額料金は1,100円で、利用料とは別に宅配便の配送料がかかる、という料金体系です。

今のところ、都内や神奈川県など、一部店舗で実験しているそうですが、これを22年春までに、全国67店舗で導入していく方針を決めたそうです。

PRタイムズによると、トランクルーム市場は過去10年で、倍増の670億円規模になったとのこと。

やはり、テレワークやオンライン学習、巣ごもりでの生活環境の変化で、新しい収納ニーズが出てきている、ということです。

こういう伸びる市場では、「うちも売ります!」という企業が出てきて、競争が激しくなります。

キュラーズも、全国で店舗数は増えているのですが、やはり競争は激しくなってきています。

顧客のニーズに寄り添ったサービスを充実させることで、立地面や価格に加えて、ソフト面での充実も図りたいところです。

ちなみに、都心で車を持たない人が増えているので、自宅と店舗の間を走る送迎サービスを、始めたりしています。

今の時代、単にモノやサービスを売るだけではなく、時間や空間、便利さを売る時代です。

自社製品やサービスの周辺で、顧客が不便に思っていること、そしてその不便さが「この業界だから当たり前」と、顧客が諦めていることに、自社ができることを当てていければ、価格や立地条件以外の部分で、付加価値をつけることができて、選ばれる企業になれます。

これは、法人向けの営業でも同じですよね。

この潜在ニーズをいかにして見つけることができるか、が、今の「共感」の時代のマーケティングの第一歩です。

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image by: LD Media UK / Shutterstock.com

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