フリーランスは憧れの的?会社勤めのメリットと知られざるフリーの実態

 

続いて申し上げたいのは、 憧れているというお仕事、フリーライターの実態 です。私がこれまでお会いしてきた フリーライターは、フリーランスではあっても、経済的にも精神的にもフリーでない方が少なくありません でした。

私はこれまで数えきれないほど 雑誌等の取材 を受けてきました。その際、 出版社の編集者や記者とフリーライターが同行するケース も少なくありませんでした。実際には、 テープ起こししながら、フリーライターがインタビュー記事などをまとめる場合が多い のです。言わば、 雑誌編集者や記者のゴーストライター ですね。

しかし、 私も物書きの端くれ なので、 取材を兼ねて?フリーライターの方とも名刺交換し、逆質問をさせていただく のです。

「どんなことを書きたいのですか?」
「どんなことを書いてきましたか?」

どちらも、 ごく当たり前の質問です。きっと、 うれしそうに即答してくれる だろうと思っていたのですが、実はこれが 「意地悪な質問」 に感じられるようで、 顔色が変わります。

なぜなら、 フリーライターとして食べていくためには、仕事を選んでいる場合ではなく、どんな仕事も、時にはやりたくない仕事も引き受けなくてはならない ようなのです。 食べていくため、そんな頼まれ仕事に忙殺されているうちに、本当に書きたいことを忘れてしまう人 も少なくありません。ましてや、 自分が書きたいことをコツコツ書き溜めたり、発表する人と会うことは、ほとんどありません。

さらに驚くのは、 ブログであれnoteであれ、インターネットで自分の原稿を無料で発表し、不特定多数に読んでもらえるチャンスがあるのに、こうしたサービスやSNSを活用していない人が多い ことです。 原稿を書くこと=お金をもらうこと と考えてしまうようで、 私のようにほとんど無料か安価で発表し、情報を垂れ流し することなど信じられないようです。

なぜ、私が、経済的にフリー=お金に無頓着=で、書くテーマはフリー=書きたい事を書きたいように書ける=か というと、 お金を稼ぐ本業が別にあったから(今もあるから) です。もし、私が書くことで食べて行こうと思ったら、クライアントや読者の顔色を見ながら、時には書きたくもないことを書かなければならないでしょう。

また、 私は物書きになるために、トレーニングを受けたわけでも、自分を売り込む営業をしたわけでもありません。

ただ書きたいことを、SNSなどインターネットを通じて書き続けていた結果 、いつしか メルマガやブログの連載依頼 が舞い込み、それが 新聞や雑誌の連載 につながり、 本の出版にも結実 したわけです。

幸いにして、 ベストセラーになった本 もありますし、 著名なメディアで連載 もさせていただいてきました。しかし、 物書きの仕事 は、 仕事がある時ない時、売れる時と売れない時の波が激しい 上、 みなさんが思っている以上に収入は少ない ので、とてもではないけれど、 フリーライターを食べていくためのライスワークにはできません。

しかし、 お金を気にせず、書きたいことを書かせていただいている今の私の状況は大変心地よく、私のライフワーク だと考えております。それもこれも、 本業のライスワークが別にあるから でしょう。

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