プレゼン資料作りで上司からオッケーが出ずに悪戦苦闘している人が多くいます。苦戦の原因が上司にあるケースもありますが、自分で改善できるところもあるはずです。今回のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』では、世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんが、豊富な経験の中で確立した「アウトプットイメージ作成アプローチ」を伝授。上司が最終形をイメージでき、作成中にもアドバイスをしやすく、ダメ出しもされにくい目からウロコの時間短縮法です。
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パワーポイントでの資料作成時間を短縮するには?
Question
商社に入社して5年、パワーポイントでの資料作成が苦手です。いつも3度、4度と上司に突っ返されて、何週間もかかります。何とか検討会などで発表しても、今度は上司の上司が違う意見を言うのでひっくり返されます。そのとき、上司は守ってくれるどころか「なんでこんな資料を作ったんだ」的な発言ではしごをはずしてきます。どうしたらこういうプロセスを少しでも減らして、もっと短時間で作成できるようになるでしょうか。
赤羽さんからの回答
ご質問どうもありがとうございました。パワーポイントへの苦手意識を持たれているのですね。上司からそういう接し方をされていては、無理もありません。パワーポイントでの資料作成は、本来、大変楽しいものですので、ぜひ一緒に取り組んでいきましょう。
まず、根本的に、上司がこういう態度だと、こちらのアプローチや資料の質にかかわらず、必ずケチをつけてきます。これはご自身のせいではないので、気にしないほうがいいです。もちろんそう言われたからといって、急に気にしないようにはできませんが、過度に落ち込む必要がないということは理解してください。
資料作成で効果的なのは、「アウトプットイメージ作成アプローチ」です。私が数百回、資料を作成し、その数倍の資料作成に助言をする中で確立したやり方です。特別なことは何もないのですが、日本でも海外でも取り入れておられる方はきわめて少数です。ほとんど出会ったことがありません。ある意味、コロンブスの卵とお考えいただくといいでしょう。
これは、仕上げが20ページほどの企画書なら、最初に30分で表紙、目次、各章のタイトルページ、各章のチャートイメージをざっと書き上げ、上司に確認した上で、所定の時間内に仕上げていくアプローチです。
初めてのときは、アウトプットイメージ作成に1時間ほどかかるかも知れませんが、数回取り組んでいると30分でできるようになります。この形で進めると、どういう資料を作ろうとしているのかが上司は最初から理解でき、途中のフィードバックで、内容に貢献できます。上司は自分が貢献しているので、自分ごととしてとらえてくれます。
本来は、上司が部下のためにアウトプットイメージを作成して進めるアプローチですが、上司がやってくれないので、自分でやることがお勧めです。
よほどできる上司以外、最終的にどういう資料を作成してほしいのかしっかりとしたイメージを持っていません。そのため、最初や途中ではあまり価値のある助言ができず、締め切りぎりぎりになってあたふたしたり、部下を罵倒したり、会議中にはしごをはずしたりしがちです。アウトプットイメージ作成アプローチを取っていると、それがなくなります。
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