ゼレンスキー氏「日本の国会演説」が高めた、台湾人の“反中意識”

 

台湾では、与野党を問わずウクライナ支援に力を注いでおり、さまざまな救援物資の提供に加え、台湾人の募金も7億元(約30億円)を突破しています。

とくにゼレンスキー大統領の発言や一挙手一投足が逐一報じられており、先日は、ゼレンスキー大統領が自らナレーターを務め、SNSにアップした「かつての美しいウクライナ」という動画が世界のネットで感動の涙を誘っているということを大きく報じていました。

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台湾でゼレンスキーは「澤倫斯基」と書きます。ゼレンスキーは世界の英雄であり、蔡英文のロールモデルとなるという論調も多く見られます。その一方で、欧米がこの戦争に軍事的に加わっていないことで、台湾有事のときにアメリカは信頼できないといった声もあります。とくに国民党勢力からは、アメリカへの疑問を投げかけて台湾人を疑心暗鬼にさせる言説が多いように見受けられます。

しかし、そうしたアメリカ不信論以上に、いかに中国がロシアによる侵略を支援しているかということが大きな話題となっています。ロシア以上の全体主義国家である中国が、この戦争にどう関与するかということが、台湾侵略にも直接関連してくるからです。

たとえば、3月20日には、中国がウクライナ問題に対して、フェイクニュースを拡散したことが報じられました。これは、「ベラルーシの反体制派の鉄道関係者が、ロシアの補給路を断つために鉄道網を切断した」というネット上の記事が、中国の微博で軍事ブロガーとして認定されている有名な軍事評論家により「ポーランドの鉄道労働者が、アメリカやイギリスなどのウクライナ支援を断つために鉄道網を破壊した」という内容に書き換えられた、というものです。

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TPOC台湾問題研究センターの発表によれば、ロシアのウクライナ侵略が始まってから、台湾人が中国に対するネガティブな声はそれまでの30日の平均を上回り、この戦争が台湾人の反中感情を喚起したことが明らかになったそうです。また、国民党の議員が、欧米のウクライナ支援やロシア制裁に疑問に投げかける傾向が強いのに対して、民進党議員はウクライナ支持を明確に打ち出しているものの、あからさまに「反中国」を打ち出しているケースは少なく、単に「自由」「民主主義」を掲げるものが多いとのこと。

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つまり「反中国」を煽らなくても、自由や民主主義を守ろうという主張が、自然と台湾人の「反中国」感情につながったというのです。国民党は民進党勢力に対して、選挙のために「反中国」を煽っているとよく批判しますが、もはや民進党勢力はそうした主張よりも自由と民主主義という価値観を訴えることが多く、それが台湾人の支持を得ているとTPOCは分析しています。

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