そこまでしてロシアと取引をしたいという人は非常に少ないということになります。
そのために「支援している」ようなことになっていても、一方で中国の支援が実際にロシアの役に立っているかどうかは不明ということになるのです。
民間がそのようにして「欲が出る」ということから、基本的に機能しないので、結局はロシア系中国人がロシアのために輸入代行や決済代行をするということになるのです。
一方中国政府としては、ここでロシアを支援してしまっては、中国そのものもスイフトから排除されてしまうということになってしまいます。
そのために、中国はある意味で「民間が勝手に行った」というような形式をとらなければならないということになりますので、なかなか支援が前に進まないということになります。
この時に役に立っているのが「人民解放軍系商社」である「保利大厦」と「海利大厦」の二つになります。
アメリカやヨーロッパから「経済制裁に参加しない」「援助をすれば、制裁する」と通告されている中国は、政府としては支援できないので、このような民間会社として支援をするという形になります。
中国の場合は、中国が経済制裁されてしまうと、決済代行などできなくなってしまうということになります。
基本的に、「国際社会の仲間入り」しながら「国際社会の仲間からはみ出したロシアを支援する」ということになってしまいますので、「政府」と「国営企業」を切り離して行うということになります。
実際に、中ロ国境では、義勇軍が多くロシアに入国し、同時に、保利大厦系の商社のメークの入ったコンテナが多く入国しているという報告が入っています。
また、その義勇軍は、ロシアの入国管理によると55歳を超えた人が多いということを言います。
ちなみに中国人民解放軍は、兵卒であれば45歳、左官(大佐まで)は55歳が定年で、将官のみそれより上でできるということになっています。
要するに、この経済制裁が大きく、なおかつ国連でも141カ国もの国々が行っていることから、中国も簡単に支援できなくなったということになり、そのことから「ロシアと国際社会の板挟みになったという感じです。
そのために「民間人が勝手に行ったこと」として義勇軍なども編成するということになりますし、企業もロシアと取引を行うのです。
ちょうど中国企業の中にはファーウェイやZTEなど、アメリカやイギリスなどで取引をできない企業も少なくないので、そのような企業が中心になって支援をしている。つまりすでに取引が規制されている企業が中国を代表してロシアを支援しているということになります。
また、高齢者の義勇兵が多いということは「正規軍」はそのまま中国国内で温存しているということを意味します。
要するに、中国からすれば「体の良い厄介払い」といってしまえば言い方は悪いですが、そのような状況になっているのです。
ご存じのように、中国は2004年まで発表していましたが、中国国内におけるデモの多くは、退役軍人による軍事年金要求(値上げ要求を含む)のデモです。
これはデモの回数などを発表しなくなった今日も同じで、元人民解放軍であるということから、それらの要求は非常に強く存在するということになるのです。
要するに、元軍人の老人は、中国にとって、仕事をするわけでもなく、年金などで金がかかる厄介者ということになります。
その人々に、ある程度の資金と補償を出して、ロシアに出すということになるのです。
このように「中国の同盟支援」という形は、一方で、中国の都合に合わせた内容であって、他の国のように「運命共同体」的な支援を行っているのではない。
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