森友学園問題の本質は、安倍氏の利用を画策した籠池理事長の判断ミス

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公文書改ざんの強要を苦にした近畿財務局の職員が自死するなど、社会を揺るがす大事件に発展した森友学園問題。先日、当問題を巡り詐欺罪に問われていた籠池理事長夫妻に対して実刑判決が下りましたが、そもそもこの事件の「本質」はどこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『上杉隆の「ニッポンの問題点」』では著者でジャーナリストの上杉さんが、ニューヨーク・タイムズ時代に培った「原点に立ち返る」という手法で、森友学園問題のすべての始まりと本質を看破。その上で読者に対して、メディアの情報の目くらましにあわないためリテラシーを高めるべきと注意を促しています。

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言われて気づく森友事件の本質~問題の根源は〇〇にある~NYタイムズの教えより

4月18日、大阪高裁でいわゆる「森友事件」の二審判決があった。

学校法人「森友学園」(大阪市)への補助金を巡り、詐欺罪などに問われた理事長の籠池泰典被告(69)と妻の諄子被告(65)の控訴審判決が18日、大阪高裁であった。西田真基裁判長は、泰典被告を懲役5年とした一審・大阪地裁判決を支持。一方、諄子被告については一審判決を破棄し、懲役2年6カ月を言い渡した。

森友学園の補助金不正事件 籠池夫妻に二審も有罪判決 大阪高裁

いったい誰が悪いのか?政治か、政党か、行政か、業者か、メディアか?死者も出ている。溢れる情報は悉く本質を外している。

ニューヨーク・タイムズでは、ニューズの焦点がぼやけたり、分散した場合には、その原点に立ち返ることだと教えられた。

先に結論を書こう。この事件のきっかけは、幼稚園を経営する学校法人のトップが、教育の現場に「政治権力」の介入を許した、いや自ら招き入れたことに起因する。これがすべてのはじまりで、これが問題の本質のすべてである。

もっと具体的に言おう。森友事件とは、学校法人森友学園の二代目にあたる籠池康博という人物が、日本の幼稚園教育のトップランナーでもある先代の森友寛氏の教えから逸脱し、新設する小学校の名称に時の権力者でもあった内閣総理大臣の安倍晋三氏の名を冠したことにはじまった政治スキャンダルのことである。

その後の事象はすべて、ここに起因する。繰り返すが、きっかけは、時の権力者の名を使って、自らに都合よく政治利用しようとした籠池康博理事長の判断ミス以外のなにものでもない。それだけだ。

さらに換言しよう。籠池理事長は、政治家の歓心を買うため、教育の場に自ら政治権力を呼び込んだのだ。その狙いが純粋に安倍氏の政治信条に惚れたのか、あるいはまた政治的影響力の誇示のためかどうかは知らない。いやそれはどうでもいいことだ。

問題を理解するうえで大切なことは、そうした欲望、あるいは稚拙な判断が、結果、自らの破滅のみならず、学校の伝統を穢し、家族まで事件に巻き込んだのだ。

本当に教育者として正しい判断だったのだろうか。合理的な政治判断もできない幼児やこどもたちに、政治思想を押し付けるのは正しかったのか?目指す愛国心に満たされた初等教育の現場、そこで今後の人生を育もうとするこどもたちの心に、自ら政治権力を招き入れ、手痛いしっぺ返しに遭っただけではなかったのか。極めてシンプルな話だ。籠池康博氏が判断を誤っただけなのだ。

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