吉野家炎上騒ぎはアラフィフへの警鐘。学ばなければすぐお払い箱に

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牛丼チェーンの吉野家の伊東正明常務(現在は解任)が、早稲田大学で開催された社会人向けの「デジタル時代のマーケティング総合講座」で、女性蔑視発言を連発しながら同社の女性向けマーケティング施策を語っていたことがSNSで発覚し炎上。講座から2日後に会社から解任されたこの騒動を、伊東氏と同年代の立場から読み解くのは、メルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』著者で公認心理師の永藤かおるさん。「私たちの若い頃」と「2022年現在」の間には明治維新クラスの大改革が起こっていることを学ばなければ、すぐにお払い箱になると警鐘を鳴らしています。

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気づかなかった明治維新(的なもの)

先日来世間を騒がせているのが、吉野家暴言問題。まあ、何を言ったかというのは、皆さんもうご存知だと思いますのでここで詳しくは書きませんが、それにしてもワードのチョイスと言い、場の不適切さと言い、怒りというよりは驚きのほうが先に立ったものです。

70年代の東映ヤクザシリーズとか、せいぜい平成初期のVシネじゃない、そのセンス。しかも女性蔑視、地方蔑視、若者蔑視の三冠王。全方向から突っ込まれても止む無し。

世間では「なんであんな発言をしたのか」で侃々諤々やっておりますが、ここではアドラー心理学的に、「何のために」あの不適切な発言をしたんかいな?と考察してみたい。あくまでもナガトーカオルの個人の視点です。

1)「社会人向けマーケティング戦略講座」だけど、大それた経営戦略とか話すと偉そうな感じがするから、ちょっと下世話なワードチョイスで笑ってもらいつつみんなにわかりやすく伝えたかった。

2)「いやぁ、弊社の商品は、高級レストランとかと違って庶民的なものですし、若者のうちからなじんでほしいんですよ、女性も含めて」という彼なりにへりくだった思いを伝えたかった。

3)専門用語を振りかざしたり、堅苦しさを前面に押し出すんじゃなくて、こんなちょっとしたショッキングな言い回しを使うことによって「あの講師、ぶっちゃけてて面白いじゃん」と思われたかった。

まあ本人に伺うわけでもないので、全くのピント外れかもしれませんが、いずれにせよ、うーーん、苦しい。目的がどうあれ、なかなかに致命的な「やらかし」「しくじり」でもあります。

よく政治家の方がご自身のパーティなどで、オフレコだからいいだろうと思ってトンデモ発言をし、それが明るみに出て謝罪に追い込まれるということがありますが、それと同じ構図ですね。

ただ、そういうのって、今までは「年寄りのたわごと」だと思っていたのです、個人的に(この一文ですら高齢者蔑視と取られても仕方のない文章です)。あの発言をした方とジェネレーション的に同じグループに入る私は、わが身を振り返ってちょっと怖くなった。もともと口は悪いし腹は黒いということを自覚しているのですが、自分も本当に言動には気をつけなければと再認識しました。

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