よく、「自分たちの世代は上の人たちにボロクソに言われてきた」とか、「学生の頃の部活では鉄拳制裁が当たり前だった」「新人の頃、エッチな話題でからかわれたりしてた」というようなことを、自分の不適切な行動の言い訳にする人たちがいます。
私の年代は特に多いかもしれない。でも、そんなことはもうダメなんです。ボロクソに言われたからといって、自分の部下や後輩にボロクソに言っていいわけなんてない。鉄拳制裁されたからといって、鉄拳制裁していいわけなんてない。性的な話やら私生活に踏み込んで若者をからかうなんて言語道断。
はっきりとした境目に気づかなかったかもしれないけれど、「私たちの若い頃」と「2022年現在」の間には、明治維新くらいものすごい大きな改革が起こっていて、江戸時代の武士だったら、町民に失敬なことをされたら「斬り捨て御免」で許されたかもしれないけれど、明治に入って同じことをやったら警察に捕まり、罪に問われる。それくらいの違いが、すでに生まれているのです。
御同輩よ、気をつけよう。私たちがあの頃少しでも嫌だと思ったことは、連鎖させちゃいけないんだよ。あの発言をした当人を断罪し、叩きのめす、という風潮になっていますが、そうではなく、この騒動から何を学び、自分の建設的な言動にどう紐づけていくか。そこに頭を巡らした方がよっぽどいいんじゃないのかな。
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