ウクライナ侵攻失敗より核戦争で死ぬ方がマシ。露の国営TVの狂気

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幾度も核兵器の使用をちらつかせ、西側諸国を威嚇し続けるプーチン大統領。そんな「独裁者」を戴くロシアにおいて、ウクライナ侵攻はどのように報じられているのでしょうか。今回のメルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では著者で国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、国営メディアで堂々と語られているにわかに信じ難い発言の数々を紹介。その上で、プーチン大統領を現段階で止める重要性を訴えています。

ロシアの有名プロパガンディストが「ウクライナで負けるより、核使用、第3次大戦」と主張している件

世界にも日本にも、ロシアのウクライナ侵攻を容認している人たちがいます。

「約束を破って、NATOを拡大しつづけたアメリカが悪い!」

「ルガンスク、ドネツクでジェノサイドをつづけたウクライナが悪い!」

などというのです。

しかし、ロシア国内で起こっていることを観察してみると、「ロシア内部に原因がある」といわざるを得ません。一例として、ロシアの国営メディア「RIAノーボスチ」は、

「(ウクライナ)国民の大部分も、受動的なナチス、ナチスの共犯者であり、有罪である」

「国民の『非ナチ化』を実現するために『再教育』する必要がある」

「『再教育』は、『イデオロギー的弾圧』と『厳格な検閲』によって達成される。イデオロギー的弾圧と検閲は、政治分野だけでなく、教育や文化にも適用されなければならない」

「非ナチ化される国(ウクライナ)は、主権を持つことができない」

といった主張を、堂々と掲載しています。詳細はこちら。

ウクライナ「非ナチ化」計画の驚愕の中身…!ロシア国営メディア記事から「プーチンの本当の狙い」が見えてきた

もう一つ例を。

ロシアのシステム外野党勢力は、テレビの有名司会者のことを、「プロパガンディスト」と呼びます。ロシアのテレビは、完全にクレムリンの支配下にあり、「客観的な事実を報道する」というより、「国民洗脳マシーン」と化しているからです。

何人か、代表的なプロパガンディストがいます。たとえば、ロシア1で「ヴェスティニデーリ」を担当するキシリョフ。英語ウィキはこちら。

Dmitry Kiselyov

「ヴェチェル ス ソロヴィヨヴィム」のソロヴィヨフ。英語ウィキはこちら。

Vladimir Solovyov (journalist)

「60ミヌトゥ」のスカベエヴァ。英語ウィキはこちら。

Olga Skabeyeva

RTのトップ、マルガリータ・シモニャン。英語ウィキはこちら。

Margarita Simonyan

彼らは、ある面非常に優秀で、見事にロシア国民を洗脳しています。結果、3月末時点で、プーチンの支持率は83%だとか(ロシアの独立系世論調査会社レバダ・ツェントルによる)。

私がロシア人と話している感覚では、さすがに83%はないかなと思いますが、ロシア国内に住むロシア人の半分ぐらいはプーチンと戦争を支持している感じです。

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