ゴールデンウイークが終わり、新型コロナウイルスの新規感染者数は、心配されていたように対前週比では増加傾向になっているようです。いまやワクチン接種をしても感染を防げないほど変異し、期待された「集団免疫」獲得は叶いそうもないこのウイルスと、どう対峙すればいいのでしょうか。今回のメルマガ『石川ともひろの永田町早読み!』では、著者で小沢一郎氏の秘書を長く務めた元衆議院議員の石川知裕さんが、北欧や英国の例をあげ、規制を緩める「次の一手」があっていいと持論を述べています。
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集団免疫には至らないのか…/コロナ対策「次の一手」とは
コロナ禍になって3年目に入っている。スペイン風邪が終息まで4年かかったのでそろそろと期待を持っているが、まだ出口は見えない。
しかし、世界中の人々の不満は爆発寸前であり、いつまでも規制をかけているわけにはいかない。だから世界各国はそれぞれ社会実験として出口戦略を取り始めており、とくに北欧諸国の積極さが目立っている。
集団免疫の獲得によりコロナを克服しようとしていたスウェーデンは、死者数の増加などが起きて、失敗したと批判を受けた。政治的発言をしない国王が批判したことでも知られている。そのスウェーデンは2月9日からほぼ全ての規制を段階的に解除した。ワクチン接種は進めるようだが、マスク着用義務や集会の人数制限などを撤廃する。欧米人のマスク嫌いは日本人には理解できないほど拒否感が強い。デンマークやノルウェー、フィンランドも撤廃の予定だ。
では集団免疫は実現できるのだろうか。人口の一定割合以上の人が抗体を持つと、感染症が流行しなくなる集団免疫の状態になるとされていた。しかし、自然感染とワクチン接種で「集団感染」はしているのにもかかわらず、現状は「集団免疫」には至っていない。例えば英国はワクチン接種と自然感染によって国民の大半が抗体を獲得したにもかかわらず、感染者数は激増した。最良の出口戦略が何なのか、いまのところ、まだ見えていない。
ワクチン接種が進んでも劇的な改善には至っていない。とはいえ、死者数や重症化率は下がってきている。未知のウイルスとの戦いは、壮大な社会実験を続けていくしかないということである。最近、飲食店などが発生の最大原因でなくなってきていることがわかりつつある。高齢者施設や学校が感染源となっていることも多い。
感染対策をしつつ規制は緩める政策をとっていく。それで重症化率や死者が増えないのであれば、普通のインフルエンザとまではいかないまでも「中間」に位置付ける政策をとるのも一つだろうと思う。
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image by:Ned Snowman/Shutterstock.com