会社が倒産の危機。一発逆転を狙った社長の思い切った決断とは?

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起業した会社の業績がとある社会問題に巻き込まれて急降下、そして銀行にリスケを頼んでいた男性がした思い切った決断とは……。今回は、メルマガ『倒産危機は自力で乗り越えられる!』 by 吉田猫次郎』の著者で事業再生コンサルタント、作家、CTP認定事業再生士の顔を持つ吉田猫次郎さんが、その男性が成功に至った思い切った決断を紹介しています。

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真っ先に自宅を売却した「男の決断」

昔、こんな相談者がいました。彼は脱サラ・起業してすぐに上手くいき、東京都目黒区に高級マンションを購入。そこに奥さんとお子さんと住んでいました。

しかし数年後、ある社会問題に巻き込まれ、彼の仕事は急降下してしまいました。たちまち会社の運転資金は底を尽き、銀行も融資してくれなくなり、やむなく返済猶予(リスケ)を申し入れました。

その後、リスケを4年ほど延長しながら、あらゆる経費を削減して生き残りを図りました。このとき彼がすごかったのは、リスケを決断した頃、真っ先に「自宅売却」を決断したことです。

買って数年の高級新築マンション。お子さんは小学生と幼稚園・・・。なかなか決断できることではありません。奥さんもきっと難色を示したことでしょう。

幸い、そのマンションは、買ったときと同じか、やや高いくらいの金額で売れました。これで住宅ローンは完済でき、かつ、手元におつりが何百万円か残りました。

売却後は当然、賃貸物件へ引っ越しました。同じ東京23区内の、やや物価の安いエリアにある、家賃14万円の2LDKに。生活水準もかなり落としました。

なぜそこまで思い切った決断をしたのか!?それは、彼なりに勝算があったからです。

  1. 自宅を売れば、銀行に「自宅を競売にかけますよ」と脅される心配もない。
  2. 質素な生活をしていれば、債権者や従業員から嫌味を言われることもない。
  3. 自宅売却と質素な生活により、「経営者責任を取った」とアピールできる。
  4. 実際、生活水準を落とせば役員報酬を減らしても困らないし、役員報酬が減れば、その分、会社の経費も節減できる。
  5. むしろ、上記1~4を実践したほうが「攻め」に出られる。

その後、約4年の歳月が過ぎました。社会問題になっていた「ある問題」も解消され、彼の本業は次第に回復していきました。

それだけではありません。苦しかった4年間のうちに、「売上が減っても回していける体質」や「銀行から借りなくてもいい体質」を築き上げることに成功。

売上はリスケ3年目の頃から「ゆるやかに」回復していきましたが、利益は「急激に」回復していきました。これにより、6年後には債務超過も解消。

リスケ中に返済資金が浮いたのでリスケ4年目頃にはだいぶ手元資金も増え、本業は黒字化し、債務超過も解消できたので、つまり会社の数字が劇的に良くなったので、こうなればしめたもの。

銀行はリスケ卒業直後から、「また融資しましょうか?」 と言ってくれるようになりました。完全回復です。

現在、彼はお子さんが中学生・高校生になり、もうあと3年もすれば転校などを心配する必要もなくなるので、その頃を見計らってまた家でも買おうか、と、頭金を何千万円も貯めているところです。

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事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。特に倒産寸前の中小企業、零細企業、自営業の自力再生(のサポート)を最も得意としています。著書『震災後に倒産しない法』(サンマーク出版)、『借金なんかで死ぬな!』(朝日新聞出版)、『連帯保証人 なってみたらすごかった でもまだ手はある』(ワニブックスPLUS新書)、『ブラックリストなんて怖くない』(宝島社)、『働けません。』(三五館)ほか多数。1968年東京生。乙女座A型。趣味は自転車、魚釣り等。無類のネコ好き。

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【著者】 吉田猫次郎 【月額】 ¥528/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 10日・20日・30日 発行予定

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