激怒した金正恩。北朝鮮で「建国以来の大動乱」新型コロナ感染大爆発

kp20220517
 

これまで頑なに新型コロナ患者の存在を認めず、国際機関からのコロナワクチン受け取りも拒否していた姿勢から一転、5月12日に感染者の確認を報じ、中国に対して防疫物資の援助を求めたとされる北朝鮮。新政権が発足したばかりの韓国は、隣国を襲った災厄をどのように受け止めているのでしょうか。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、国内外の報道を引きつつ専門家の意見や政府当局者の対応を紹介。北朝鮮の労働新聞が勧めているという「驚きの民間療法」も併せて伝えています。

北のコロナ、建国以来の大動乱

北朝鮮が12日から連日公開中のCOVID-19状況を踏まえてみる時、16日現在、平壌は封鎖と移動禁止命令で都市全域で人・物資など移動が顕著に減った事実上の「幽霊都市」と化しているだろうと思われる。

医薬品の調達がまともにできないなど、慌ただしい内部状況が北朝鮮官営メディアを通じてそのまま露出している格好だ。前日基準の北朝鮮の新規発熱者は39万2,920人で、これを全体人口数対比韓国の状況に比べれば、1日100万人水準に達するという分析だ。まだ検査を受けていない人と無症状者などまでを考慮すれば、実際の新型コロナウイルス感染症の感染者・死亡者数は発表された数値をはるかに上回るものと予想され、終わりが見えないという否定的な見通しが提起されている。米国CNNも「北朝鮮で新型コロナウイルス感染症の発生は大災難」と悲観的に見通した。

16日、北朝鮮の朝鮮中央通信によると、金正恩国務委員長は前日召集された労働党中央委員会政治局非常協議会で「党政策執行を法的に強力に担保しなければならない司法・検察部門が医薬品保障と関連した行政命令が迅速かつ正確に施行されるよう法的監視と統制をまともにできずにいる」として医薬品普及のための人民軍投入命令を下した。

検察所長を強く叱咤し、内部を結束して軍を投入するなど、独自の措置で危機を突破しようとする意図だ。キム委員長は12日以後、連日会議を開き内部状況を取り締まっている。現在の事態を「建国以来の大動乱」と規定するほど高い危機感を表出している。

2004年から対北朝鮮保健医療活動をしてきた漢陽大学予防医学科のシン・ヨンジョン教授は電話インタビューで、「薬がないため、家で1週間休むとしても基礎疾患者や健康が脆弱な人々は重患者になって死亡するだろう」と見通した。

CNNは1990年代の北朝鮮の大飢饉を例に挙げ、「北朝鮮は1990年代飢饉でどれほど多くの人が死亡したのか公開しなかった」とし「専門家たちは200万人以上が死亡したと推定し、当時北朝鮮を脱出した人々が恐ろしい経験談を伝えるだけ」としている。

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