北朝鮮は医療インフラが劣悪な状況で、次善策として個人防疫と民間療法を強調している。しかし、このような対応では感染者・死亡者急増を防ぐにはとうていキャパシティー不足であり、ついには民心悪化につながりかねないという懸念が大きい。労働新聞はこの日、自宅隔離最小5日に加え、少なくとも10日間は他の人と一緒にいる時、マスク着用、食事禁止などの指針を要請した。
これに先立ち、同新聞は蜂蜜の食べ方と牛黄清心丸、柳の葉などを使う民間療法も紹介した。慶南大極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は「民間療法に依存することが避けられない状況」とし「犠牲者続出とこれにともなう民心の急速な悪化が予想される」と話した。
北朝鮮は中国に防疫物資支援を要請したというが韓国にはまだだ。しかし韓国政府は支援を検討しているようだ。韓国政府当局者は「できるだけ週明けに南北連絡事務所の通信線を通じて北朝鮮に『防疫支援を議論する実務接触を持とう』という趣旨の電話通知文を送ろう」と話した。政府はワクチン、治療剤、コロナ検査装備などを支援する案を検討している。チョン・ジェフン教授は流通・保管上の制約が少ないSKバイオサイエンスのGBP510や2~8℃で冷蔵保管が可能なノババックスのワクチンを支援すれば被害を最小化できると話した。
専門家たちは「自主解決」を強調する北朝鮮が直ちにユン・ソクヨル政府の支援提案を受け入れる可能性は低いと見ている。金正恩は14日、政治局協議会でも「先進国(中共のこと)の防疫政策と防疫成果と経験をよく研究することも非常に重要だ」とし「中国の党と人民が悪性伝染病との闘争ですでに収めた先進的で豊かな防疫成果と経験を積極的に学んで行く」と語った。外部の助けなしに中国式「ゼロコロナ」路線を継続してこの難局を乗り越えていくという意志を明らかにしたものだ。はたしてそんなことが可能なのか。全世界の視線が今北朝鮮に熱く向けられている。
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image by: 朝鮮労働党機関紙『労働新聞』公式サイト