そのような力も抑えきれるほどの権力をプーチンさんは維持しているのかもしれませんが。つまり何が何でもプーチンさんについて行く強力な部隊も持っているのかもしれませんが。それがその国家機構をバインドしているのかもしれませんが。それでも彼らが「このままでは破滅する」として他方で核による脅迫が核兵器使用というところまでエスカレートすれば、それはもう取り返しのつかないことになる、そのように判断すれば何かが変わるかもしれない。
その結果としてロシア政府がウクライナを攻めたことに関して、まあ反省するというのはないかもしれませんが、間違いだったと認める、あるいは賠償に応じるとかね、そういう話までいったらそれはもう「核」の心配はなくなる。今度の軍事作戦の大失敗によって、プーチン政権が追い詰められている状況の中で、核の使用を押さえ込んでロシアの政府を転覆するというか、変えるところまでもし力が及べば、世界はもうちょっと安全な時間を確保できるようになるのではないかなという気がしております。
その場合に、やっぱり中国という存在がとても要素として大きくなっていくのだろうなという気がします。これくらい国際的な関係が密になっている世界で、なおかつ対立の重要な火種がアジアの中に転がっていますので、こういうものを作り出す、こういうモノから皆が免れて大きな平和を享受できるような試み、これを提起するのは、日本が一番適しているのではないかと思います。飽くまでアメリカの言いなりになるのではなくて、日本独自の平和の構想みたいなものを作っていけないだろうかという気がしています。
おそらくこれから中国に対して、中国がロシアの擁護者にならないようにすべきだという議論と、そうはいいながら中国に甘い顔を見せてはいけないというような主に保守派の議論、これらが対抗していくのだと思います。どちらにしても戦争の状況が大きく変わりましたので、そんなに時間は掛からないというか、最終的なところに突き詰められるまで、プーチンさんが核を使用するのかしないのか、ハッキリした結論を出すまで、そんなに時間は掛からないと思いますね。それくらい軍事バランスが、いままだきっとバランスがとれているところもあるでしょうが、これから先は、一挙に崩れるはずですので、「はず」というか、そういうふうに素人考えではありますが、思うのです。どういうわけか、日露戦争の話から、最後はまた「平八郎さん」のところに戻って参りました。
(『uttiiジャーナル』2022年5月22日号より一部抜粋。全てお読みになりたい方はご登録ください、初月無料です)
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