また中国のウソが露呈。内部資料の流出が炙り出すウイグル人弾圧の実態

 

また、共産党幹部の発言記録なども数多く記録されており、公安部門トップの趙克志・国務委員兼公安相や、当時、自治区トップだった陳全国・党委書記らが会議で行った演説を、そのままの言葉で起こした文書が含まれていました。

2017年5月28日に陳全国が行った講演記録では、海外からの帰国者はすべて拘束し、「少しでも逃げれば射殺せよ」と命じている様子が描かれています。

AFPによれば、これらのデータには、各町村で数百人以上が拘束されているケースもあり、また、一世帯だけでも何人も拘束されている事例も少なくないそうです。

東アジア研究が専門のデービッド・トービン氏によれば、その罪状も、「社会秩序を乱す目的で集団を組織した」「過激主義を煽動した」など、さまざまなものがつけられているものの、「恣意的な共同体を標的にしたうえで各戸をしらみつぶしに回って、大勢を連れ去った」ことが見て取れるといいます。

中国当局のデータベース流出、拘束されたウイグル人の詳細明らかに

そして罪に問われなかったウイグル人の多くが、「再教育施設」に送られたとしています。

このような内部資料が出てきたことで、中国側の「職業訓練センター」だという主張が嘘だったことが暴露されました。それと同時に、中国のウイグル人迫害が事実だったことが明らかになったのです。

一方、中国政府が後援するオンラインのプロパガンダイベントに出席し、新疆ウイグル自治区を「素晴らしい土地」と褒めそやした国連の特別報告者に対して、中国から20万ドルが送られたという事実が発覚しました。この特別報告者はアリーナ・ドゥハンという人物で、監視団体の「UNウオッチ」は、民族浄化隠蔽を支援したとして、非難するとともに中国への返金を求めたそうです。

国連特別報告者に中国から2500万円、「民族浄化の隠蔽支援」 監視団体

日本では、ユニクロを展開するファーストリテイリングが、新疆ウイグル自治区での綿製品が強制労働によって作られたのではないかという批判について、「自社が扱う製品について、人権侵害に繋がる取引は確認されていない」として、中国との取引に問題がないという姿勢を貫いてきました。

ファーストリテイリング“人権侵害につながる取引なし”

しかし今回の流出ファイルは、中国政府が新疆ウイグル自治区全般に対して弾圧を行っていることを示しており、日本企業の中国との付き合い方が再びクローズアップされそうです。

現在、ロシアの駐スイス外交官がウクライナ侵攻について「嘘ばかりだ」と抗議して辞任し、また、イギリスはロシア軍が投入した地上戦力の3分の1が喪失したと分析するなど、専制国家の内情が暴かれつつあります。

ロシア外交官が抗議の辞任 「主戦的で、うそと憎悪だけ」
ロシア軍、投入した“地上戦力”3分の1喪失か~英分析

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