一方死亡した海洋水産部公務員A氏(死亡当時47歳)の遺族が、文在寅元大統領を殺人幇助の容疑で告訴する案を検討中だと明らかにした。
A氏の実兄である李羅津(イ・レジン)氏は同日、TV朝鮮とのインタビューで、「文前大統領と当時国防部長官などに対し、殺人幇助と職務遺棄の疑いで告訴する案を検討している」とし「文在寅政府が国家安保室の主要記録を大統領記録館に移管し隠蔽した」と指摘した。
イ・レジン氏は「惨憺たる気持ちだ。政権が変わったら、数か月で(政府の)立場が完全に変わってしまった」とし「今やっと正常な国家システムが作動した。
これまで(政府が)隠蔽して操作した部分は犯罪だと思う。犯罪と確信するため、告訴・告発を当然しなければならない」と述べた。
A氏の妻B氏も「海洋警察が恨めしい」として「誤って捜査をした人々が正当な処罰を受けることを願う」と話した。当事者の妻や実兄などの遺族たちは、17日に記者会見を開き立場を明らかにした後、A氏の葬儀を行う予定だ。
実際17日、遺族たちは殺害された公務員A氏の息子が尹錫悦大統領にあてて書いた感謝の手紙を妻B氏が読み上げた(ときおり涙にむせびながら)。なぜ「感謝」か。尹錫悦大統領になったゆえに、「越北」という汚名を払しょくできる機会が回ってきたからだ。
越北(北に帰順する)というのは、現在の韓国にとっては最高に不名誉な行為として捉えられるものだ。遺族たちはこの2年間、大切な家長をなくしたばかりか、その汚名を背負って生きてこなければならなかったわけだ。その苦しみはいかばかりであったろうか。
しかし今や新政府となり、そのときの真相が暴かれようとしている。越北の確たる証拠もないのになぜに越北の汚名を自国民に着せたのか。そこにはそれなりのわけがあったはずだ。そうしたことが今や明るみに出ようとしている。
政治報復などという次元でないことは明らかだ。事実を究明し、わけもなく汚名を着せられた人は、その名誉を挽回すべき権利がある。黄海射殺焼却事件の真相究明は、今韓国全員のホットポテトとなっている。
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