プーチンを裏切り激怒させた男。ロシアに反旗を翻した国はどうなるのか?

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先日開かれたサンクトペテルブルク国際経済フォーラムでロシアを揺るがす大スキャンダルが起こったそうです。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では著者で国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、 その経緯と顛末を詳しく紹介し、その渦中にある2つの国について語っています。

皇帝プーチンに大恥かかさせた●●●の大統領

6月15日から18日にかけて、「サンクトペテルブルグ国際経済フォーラム」が開かれました。ここで、ロシアを揺るがす大スキャンダルが起こりました。まず、こちらの動画をごらんください。

Президент Казахстана Токаев отказался признать ДНР и ЛНР

ここで、プーチン、中央アジア・カザフスタンのトカエフ大統領、ロシア国営RTのシモニャン編集長が対談をしています。

シモニャンは、トカエフに、「ルガンスク人民共和国、ドネツク人民共和国についてどう思うか?」と尋ねました。

するとトカエフはまず、国際法における「矛盾」を指摘しました。「矛盾」とは、「領土保全の原則」と「民族自決の原則」です。この矛盾から、さまざまな解釈が生まれてくると。

少し説明が必要でしょう。

たとえばトルコ領内に住むクルド人が独立を望んでいます。これは、トルコの「領土保全の原則」を破る行為なので、結論は、【独立はダメ】となるでしょう。しかし、「民族自決の原則」からいえば、「住民投票して多数派なら、独立はOK」ということになります。

どっちが正しいのでしょうか?「国際法的には、どっちが正しい、どっちが間違っていると確定的にいえない」となるでしょう。

では、トカエフは、「領土保全の原則」と「民族自決の原則」、どちらを支持するのでしょうか?彼は、「領土保全の原則」をより重視するとしています。理由ですが、「もし独立したい民族全部に独立を許せば、現在の国連加盟国は193国あるが、500から600国以上に増える。これは、当然カオスになる」

結論は。

「それで私たちは、台湾を(独立国家と)認めない。コソボ、アプハジア、南オセチアを認めていない。この原則は、ルガンスク、ドネツクにも適用される。」

要するに、トカエフ大統領は、プーチンを目の前にして、「カザフスタンは、ルガンスク、ドネツクの独立を認めない!」と宣言したのです。

トカエフの回答は、非常に論理的なものです。しかし、自尊心が高い皇帝プーチンにとっては、「果てしない屈辱」だったのです。

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