「韓日両国が未来のために協力できるなら、歴史問題も十分に解決していくという信頼を持っている」という部分が今回の記事でいちばん重要なところだ。
尹錫悦は、言ったことは必ず実行するタイプだ。日韓関係の改善・発展を心から願っていることも事実だ。歴史問題の解決もなんとかしてゆこうという考えは確実に持っている。
しかし「日本はまだ残っている過去史問題に対して韓国に一方的に解決策を要求している」という記者の質問に如実に表れているように、韓国の認識として1965年の日韓協定がほとんど無視された格好になっている点が問題だ。
「国際関係規範を守らなければならないという精神を持って問題を扱うべきだ」とする尹錫悦の基本姿勢が最後まで貫かれるならば、記者らの認識(=韓国の一般的認識とみてよい)を叩き潰し、国際関係規範を守る(つまり日韓協定を順守する)という立場が実現できるのだが、韓国社会という大向こうを相手に尹錫悦がいくら大統領とはいえそこまでできるのか。
不確実性はあるものの、とにかくやれることはやってみるといところからしか前に進めない。尹錫悦に大きな期待を抱く所以でもある。当たって砕けろ。ダメだったらまた別の人でやっていくしかないべ(米沢方言で恐縮です)。
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