台湾にとって、安倍元首相ほど親しみがある、また、重要な政治家はいませんでした。2011年に台湾独立建国聯盟主席の黄昭堂氏が逝去した際、安倍元首相は「黄昭堂先生に誓う」という弔辞を送っています。
そこで安倍元首相は、「私は先生の友人として、また台湾の友人として、今後、台湾の人たちが世界の孤児ではなく、世界の国々から全体として権利を勝ち取ることができるように全力を尽くして参ります」と決意を述べられていました。
● 黄昭堂先生に誓う 安倍 晋三(元首相・衆議院議員) | 日本李登輝友の会 愛知県支部
安倍元首相がその言葉を最後まで守り続けてくださったことは、ここ数年の言動が物語っているでしょう。中国から台湾産パイナップルが輸入禁止となった際には、日本人に対してSNSで積極的に宣伝してくださいました。
台湾では、安倍氏の逝去が伝わると、台湾のランドマークにもなっている高層ビル「台北101」に「台湾の永遠の友」というメッセージを映し、日本語の「ありがとう」という言葉を掲げて感謝と哀悼の意を表しました。
蔡英文総統も追悼メッセージを出すとともに、台湾全土の政府機関や公立学校で半旗を掲げて「もっとも深い哀悼と感謝」を表明することを発表しました。加えて、台北市に設置された追悼のメッセージボードは、市民からの寄せ書きでいっぱいになったそうです。
● 台湾、「永遠の友」安倍氏悼みメッセージボード すぐに余白なくなり付箋も: J-CAST ニュース
7月11日には、台湾から頼清徳副総統が弔問のために訪日しました。台湾と日本が国交を断ってから、最高位の訪日になります。台湾でもいかに衝撃と悲しみが大きいか、理解していただけると思います。それと同時に、台湾最大の理解者を失ったことの影響の大きさについての懸念も強まっています。
(メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年7月14日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
この記事の著者・黄文雄さんのメルマガ
image by: KenSoftTH / shutterstock.com