一致する利害。自民浸透に成功した「勝共連合」の背後に蠢く統一教会

 

国際勝共連合とは?

また、統一教会とともに、「国際勝共連合」という政治団体も押さえなければならない。

国際勝共連合は、反共産主義を掲げる政治団体。統一教会の教祖である文鮮明が、1968年1月13日に韓国で、そして同年4月に日本で創立させた。

初代の会長は、統一教会の会長でもあった久保木修己。名誉会長は笹川良一、顧問団に小川半次、大坪保雄、辻寛一、千葉三郎、玉置和郎、源田実らがいた。

勝共連合は、機関紙として「国際勝共新聞」、「思想新聞」、そして月刊誌「世界思想」を発行。関連会社の世界日報社が、日刊紙である「世界日報」を発行している。

国際勝共連合は韓国の「勝共運動」の影響を強く受けている。この勝共運動は、韓国においては「反共法」まで制定し、共産主義に対抗していた、朴正煕政権の庇護を受けたとされる。

勝共運動は、とくに共産党と共産主義に対して強く反発、創設直後から共産主義系の組織に対抗、大学、労働組合、一般人を対象とした講演会を開催してきた。

そして、その主張から、日本だけでなく、世界各国の反共・保守派の要人と交流を持つ。

2016年には、「大学生遊説隊 UNITE(ユナイト)」と称した団体を立ち上げ、若者を前面に押し出す形での憲法改正や安保法制への賛成を訴える街頭演説を行った。

政治家とのかかわり

勝共連合の主な思想は以下の通りである。

  • 勝共思想の定着をはかる
  • 共産主義の脅威から我が国を守る
  • ジェンダーフリーや過激な性教育の廃止
  • (選択的)夫婦別姓に潜む共産主義の策動を阻止
  • 子供の人権政策に潜む共産主義の策動を阻止
  • 青少年健全育成基本法の制定
  • 男女共同参画社会基本法の改廃
  • 憲法改正
  • 緊急事態基本法の制定
  • スパイ防止法の制定
  • 日本版NSCの設置
  • 集団的自衛権の行使容認
  • 非核三原則の改廃
  • 武器輸出三原則の改廃
  • 防衛産業を成長戦略に盛込む
  • 宇宙の軍事利用を促進

このように、これらの思想をみるかぎり、自民党の政策とぴたりと一致する。事実、勝共連合は、自民党を中心とする保守系の政治家と接近し、秘書や運動員を派遣するなど、活発な政界工作を行ってきた(*3)。

統一教会が政治に接近する狙いは明確だ。自民党政権から体制保護を得ること、そして与党の国会議員の教団イベントへの参加といった便宜供与だ。

一方で、政治家のほうとて、選挙における組織票や、事務所スタッフの人手が不足。統治家の「秘書養成所」で訓練された信者が、議員の元に送り込まれ、秘書や事務所スタッフ、選挙運動員となる。

そして、安保闘争の真っただ中に、勝共連合は、日本の政財界へ浸透していったのだ。

■引用・参考文献

(*1)COURRiER JRPON「日本のメディアが報じない『安倍晋三と統一教会の近すぎる関係』に英紙が迫る」Yahoo!ニュース 2022年7月12日

(*2)吉崎エイジーニョ「【いま一度まとめ】統一教会とは? 『なぜ世界平和統一家庭連合に名称変更?』『初代教祖死後に大転換』」Yahoo!ニュース 2022年7月11日

(*3)鈴木エイト「『安倍氏は三代にわたって付き合いがあった』マスコミが書かない山上容疑者・統一教会・自民党をつなぐ点と線」PRESIDENT Online 2022年7月13日

(『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』2022年7月10日号より一部抜粋・敬称略)

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