連日さまざまなメディアで取り上げられ続けている、自民党議員と旧統一教会との「関係性」。今回のメルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』では著者でジャーナリストの伊東森さんが、その真偽を精査し、「安倍元首相と旧統一教会との関係」だけで終始しようとするメディアを批判するとともに、保守派議員に対して政界工作を行った国際勝共連合の実態を詳しく紹介しています。
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統一教会は、国際勝共連合を通じ自民党の保守系政治家と強いつながり
安倍晋三元首相の殺害の真相の解明の過程で、旧統一教会がクローズアップされてきた。
英紙「フィナンシャル・タイムズ」は、その旧統一教会を「カルト団体」であると断言、そしてその団体と安倍元首相の祖父である岸信介氏との“近すぎる関係”を指摘。
さらにそれは、
日本の支配者層とメディアが見て見ぬふりをしてきた公然の秘密。
であるとした(*1)。
何十年もの間、旧統一教会と自民党の有力者との密接な関係は、日本の政治においてほとんど議論されない公然の秘密であった。
しかし今、旧統一教会に家庭を壊されたと主張する男が安倍を殺害した事件により、この宗教団体と自民党との関係に光が当てられることになったのである。
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は11日、東京都内で記者会見を開いた。
ただ、日本のメディアは、「安倍元首相と旧統一教会との関係」だけで終始しようとする。
しかしながら、問題の本質は旧統一教会と、関連する政治団体「国際勝共連合」という組織、さらには、これらの団体が日本の戦後政治に深く根ざしてきたということに帰結する。
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目次
- 統一教会とは
- 国際勝共連合とは?
- 政治家とのかかわり
統一教会とは
統一教会は、韓国に本部のあるキリスト教系の宗教団体。現在の名称は、「世界統一平和家庭連合」。ただ、韓国でも従来どおり、「統一教会」という名称で報道されることが多い(*2)。
教会側の発表によると、韓国内での信者は30万人で、それ以外の国は300万人。そのうち、日本には10万人の信者がいるという。世界194カ国に教会がある。
初代の教祖は文鮮明氏(ムン・ソンミョン、1920年1月6日-2012年9月3日、享年92)。
宗教的活動とともに、「統一グループ」としての財閥グループとして、最盛期(2012年以前)には、アメリカと韓国に8つの学校、日本とアメリカ、韓国、中米に8つのメディアを持つほか、建設、食品系の企業を有する、韓国内30位ほどの中堅財閥でもあった。
韓国で、1954年に設立。その団体がまず日本で話題となったのは、1980年代のころ。特別な効能があるとする「壺」を不当な高値でうるという、「霊感商法」が社会問題化した。
1992年には、歌手の桜田淳子さんが会見を開き、9月にソウルで開かれる統一教会の「合同結婚式」に参加することを発表。国内に衝撃を与えた。
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