統一教会と自民の癒着に公明党代表がノーコメントを貫くしかない闇

 

月刊ペン事件は、75年末から76年4月にかけ「月刊ペン」誌上で、編集長の隈部大蔵氏が池田大作氏の女性関係を暴露。相手とされた多田時子、渡部通子両氏の告訴により名誉毀損罪で隈部氏が逮捕され、一審、二審で有罪になった。

会見で詳細を明らかにすることはなかったと記憶するが、月刊ペン事件について矢野氏は「編集者が逮捕されるという異例なことを、どうしてできたのか、いきさつが手帳に書いてあった」と語った。

矢野氏や顧問弁護士の山崎正友氏らがどのような工作をしたかは、山崎氏の著書に生々しく書かれている。

裁判官や検事に根回しし、警視庁に圧力を掛け、笹川良一氏、陽平氏父子に頼んで、月刊ペン社長と弁護人の懐柔工作を行い、2,000万円を相手側に支払って、池田大作を証人出廷させないまま、隈部大蔵に有罪判決が下るよう司法を曲げる作業の中心者として働いたのだ。もちろん、池田大作の厳命によるものである。

このような工作活動が効力を発揮したとは信じがたいが、矢野氏のメモにはおそらく詳細な記録が残されているのだろう。矢野氏は当時の創価学会について、こう述べた。

「脱会する人に嫌がらせをする。半ば無理やりに、会員を選挙活動に駆り出す。お金集めをやる。海外にはきわめて危険な団体と規定している国もあると聞いております」「これは中傷ではない。これを教訓に、正しい宗教団体になっていただきたい」

「政治と宗教」タブーは、報道の世界にも見られる。安倍元首相襲撃事件の後、大メディアが警察発表そのままに統一教会の名を伏せて容疑者の供述を報じていたことは、その顕著な実例だ。警察の政権に対する忖度をメディアまでが見倣う必要はない。

もとをただせば、統一教会は反共団体である「勝共連合」を日本につくったことにより自民党と結びついた。その点では創価学会・公明党よりはるかに自民党との身内意識が強いかもしれない。

自民党のなかでもとりわけ統一教会とのかかわりが深いのは、「勝共連合」の最大の協力者、岸信介氏の流れをくむ派閥「清和会」(安倍派)である。

第一次安倍政権で首相秘書官をつとめた同派閥の井上義行氏が統一教会の全面支援を受け今回の参院選に当選したことは多くのメディアで報じられているが、同じく安倍派のメンバーである参院議員、北村経夫氏もまた、統一教会との異常に近い関係が明らかになっている。

北村氏が立候補した2013年夏の参議院議員選挙直前、統一教会が全国の信者に以下のような内部通達を出したことをジャーナリスト、鈴木エイト氏が報じている

全国区の北村さんは、山口出身の政治家。天照皇大神宮教(「踊る宗教」とも)の北村サヨ教祖のお孫さんです。首相からじきじきにこの方を後援してほしいとの依頼があり、当落は上記の『踊る宗教』と当グループの組織票頼みですが、まだCランクで当選には遠い状況です。参院選後に当グループを国会で追及する運動が起こるとの情報があり、それを守ってもらうためにも、今選挙で北村候補を当選させることができるかどうか、組織の『死活問題』です

なんと、当時の安倍首相が統一教会にじきじきに北村氏への後援を依頼してきたというのだ。しかも、統一教会が国会で追及される恐れがあるので、それを防ぐためにも北村氏を当選させる必要があるという。統一教会と政治権力の持ちつ持たれつの関係がこの文面で露骨に明かされているではないか。

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