動機は「自民と統一教会」。安倍氏銃撃事件は他の凶悪事件と何が大きく異なるのか

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国内のみならず、全世界に衝撃を与えた安倍元首相銃撃事件。一部ではこの事件の山上容疑者と、秋葉原通り魔事件や津久井やまゆり園殺傷事件、さらに京都アニメーション放火事件の容疑者たちとを同じように扱い論ずる向きもあるようです。このような傾向に異を唱えるのは、人気ブロガーのきっこさん。きっこさんは『きっこのメルマガ』で今回、それぞれの容疑者たちが抱えていた背景や犯行動機を丁寧に解説しつつ、安倍氏銃撃事件と他の事件とを並列に考えることが誤りである理由を記しています。

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凶悪犯罪の犯行動機

7月8日午前11時半頃、奈良市で参院選の応援演説中だった安倍晋三元首相が、男に至近距離から銃撃されたというニュースは、あっという間に日本だけでなく世界を駆け巡りました。一部には「ほぼ即死状態だった」という情報もありますが、真偽のほどはともかく、選挙中というデリケートな時期でもあったため、正式に「死亡」が発表されたのは、銃撃から6時間近くも過ぎた夕刻になってからでした。

そして、衝撃の事件から10日後の7月18日、こちらも衝撃の事件だった京都アニメーションの放火殺人事件から3年となり、スタジオ跡地では、ご遺族や会社関係者らによる追悼式が行われました。この事件は、36人が死亡、32人が重軽傷という「最も犠牲者の多い殺人事件」と言われていますが、発生から3年が過ぎた今も、被告人の初公判は未定のままです。ちなみに、この被告人が事件を起こした時は41歳、今回の安倍元首相の銃撃事件の容疑者も41歳です。

また、この8日後の7月26日、14年前に東京の秋葉原で発生した通り魔殺人事件の犯人の死刑が執行されました。この犯人は、トラックで歩行者天国へ突っ込んで3人を轢き殺した後、逃げ惑う人々をダガーナイフで次々と刺し、計7人が死亡、8人が重軽傷という大変な事件となりました。2015年2月に最高裁で死刑が確定していましたので、「死刑確定から約7年で執行」という最近の通例に準じています。

しかし、どうして7月26日という日に執行したのでしょうか。何故なら、この日は神奈川県相模原市の知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」で大量殺人事件が発生した日なのです。今から6年前の2016年7月26日未明、元職員の男が施設に侵入し、入所者19人を刺殺し、入所者と職員の計26人に重軽傷を負わせた事件です。そのため、この日は、新設された施設で追悼式が行われる予定になっていました。

「津久井やまゆり園」の事件の追悼式は、秋葉原の事件の死刑執行のニュースとは関係なく、予定通りに行なわれました。しかし、多くの人の記憶に新しい大量殺人事件が発生した日に、別の大量殺人事件の犯人の死刑が執行されたという事実に、ネット上では様々な憶測が飛び交いました。何故なら、死刑の執行日は人が決めるものなので、何らかの意図があってのことだと考えた人が多かったからです。

この日に死刑が執行された秋葉原の事件の死刑囚は、事件を起こした時は25歳でしたが、こちらの「津久井やまゆり園」の事件の犯人は、事件当時は26歳でした。こうした「同世代による事件」という偶然の一致も、憶測を呼ぶ一因になったと思われます。

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