でもそれって、全く不十分ですよね。
現に、経済再生担当大臣のところでは、留任になった山極大臣は統一教会との関係をハッキリさせず、留任が決まってからこれこれこういう関係がありましたということを、いわば「後出し」で出してきたと。これ、まさに、話が済んでいないのに大臣にしてしまったわけですよね。ですから岸田さんの言っている原則も実は守られていなかったということですよ。どういうことか…。岸田さんは統一教会およびその関連団体との関係を調査し、公表し、二度とそのような関係を結ばないという約束をした人だけで内閣を作ると言ったのだから。山極さんに関しては調査中のまま留任させてしまった。現に、関係はあったわけですよね。これはやっぱり岸田さんがそこをどう考えるかは是非野党の皆さんに追及してほしいところです。
まあ、しかし、一日二日でハッキリするような話ではなさそうですね。政治家との関係もそうですが、これが万が一官僚組織とも関係があったというようなことになってくると、大騒ぎになりますね。そうなったときに国会での追及が、しかもなされないというようなことになると、そのことに対する国民・有権者の不満というものは澱(おり)のように溜まっていってですね、これから3年間(国政)選挙がないと言われていますが、その間に何らかの政治的な危機が招来する可能性だってあるわけですし、さらにいえば新しい資本主義とも、それこそ聞こえの良いことはおっしゃっていましたけれど、それがどうも実現しないということになってきて、物価高が続き…。そのときに内閣は非常な危機を迎えるのではないでしょうか。そんな気がしております。どちらにしても、この統一教会の問題を払拭するということが非常に大きな課題だった今回の組閣および自民党役員人事、これに岸田さんは今のところ成功していない。これはまずいですよね。
言ってしまえば、広告塔の話と名称変更の話、その先にもう一つありますよね。もうSNS上ではその話で持ちきりになっているようですが、「こども家庭庁」の名称の由来。「こども庁」のはずがなぜか「家庭」が入った。そこに自民党の保守派、宗教右派とはいいませんが自民党の保守派、あるいは自民党の外にいる保守派のところから力が加わってそのような名前になったのではないかと。このことはもっと前から言われていたことですけれど、そこにこの統一教会と関連団体の意向がもしかしたら反映された面はあったのか、なかったのか。そういうところについての調査、追及があり得ますね。
それだけではないですよ。国際勝共連合というイデオロギー団体のことから言えば、憲法改正を求め、ジェンダーの問題、選択的夫婦別姓制や同性婚に対する反対を、国際勝共連合などはしているようですけれども、自民党のそうした主張と軌を一にしていることについて何かあるのかないのか、それも知りたくなってきますね。なぜなら、旧統一教会とその関連団体の人たちが自民党の選挙応援をし、自民党の数々の議員から行事の際に祝電をもらい、メッセージをいただき、選挙の時には直接に票を回してもらったという人もいましたね。安倍さんにお願いしたという話。それが今回はもらえないので立候補を断念した人がいましたね。そこまで深く関わっている団体と自民党与党の政策との奇妙な一致があるのかもしれない。そのようなところを考えたくなりますね。
(『 uttiiジャーナル uttiiジャーナル 』2022年8月14日号より一部抜粋。全てお読みになりたい方は ご登録 ご登録 ください)
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