台北まで46分。中国が勝手に進める「京台高速鉄道」狙いは台湾侵攻

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8月2日に強行されたペロシ米下院議長の訪台以来、台湾に対して露骨な武力による威嚇を続ける中国ですが、一方で中台を結ぶ鉄道敷設計画を進めている事実をご存知でしょうか。今回のメルマガ『 黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」 黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」 』では著者で台湾出身の評論家・黄文雄さんが、中国の地図アプリでは既に表示も開始されているという「京台高速鉄道」の企てを紹介。アメとムチを用いて台湾の国論を分断しようという習近平政権の戦略を、白日の下に晒しています。

※本記事は有料メルマガ『 黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」 黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」 』2022年8月17日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に 初月無料のお試し購読 初月無料のお試し購読 をどうぞ。

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プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。 

【台湾】「台湾統一」の妄想を現実化させようという京台高速鉄道の噴飯

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習近平は、最近になって武力を使って台湾を脅し始めていますが、それはアメリカを始めとする各国要人の相次ぐ訪台に抗議するためであり、それまでは武力ではない方法で台湾をじわじわと追い込んでいました。その象徴が「京台高速鉄道」です。

このメルマガでも、以前に何度か取り上げましたが、北京から台北を結ぶ高速鉄道を中国政府が計画しており、そのプロパガンダとして「2035年去台湾」という歌を中国国内で流行させました。

そして、この鉄道を実現させるという習近平の本気度を示しているのが、「京台高速鉄道」の現在の終点駅の駅舎です。

この駅は、中国側の台湾に最も近い福建省の平潭(ピンタン)島(海壇島)にあります。何もない小さな島でしたが、鉄道を台湾まで通すために、中国本土と平潭(ピンタン)島を結ぶ全長16.34キロの「平潭海峡道路鉄道併用大橋」を作りました。報道によれば、「上層に6車線(片側3車線)の高速道路、下層に複線の高速鉄道用線路が敷かれた巨大な橋」とのことです。

【動画】中国から最も台湾に近い島ルポ 大橋&高速鉄道、増す統一圧力

そして、現在は終点となっている鉄道の平潭駅ですが、この駅舎がとても豪華です。淡路島ほどの小さな田園風景が広がる島に、突如お城のような豪華な駅舎ができたというわけです。その駅舎の周囲には、台湾製品を取り扱う商店がいくつかあり、漢字も中国で使う簡体字ではなく、台湾で使っている繁体字が書かれています。

その先の台湾への線路は、もちろん台湾側が受け入れるはずもなく、そこで止まったままですが、それでも中国政府の計画はかなり具体的です。以下、報道を一部引用します。

中国政府が今年2月に発表した35年までの「国家総合立体交通網計画綱要」などによると、平潭島と台湾本島を長さ約130キロの橋か海底トンネルで結ぶことを計画している。島内の平潭駅と、IT産業の集積地で「台湾のシリコンバレー」と呼ばれる新竹の高速鉄道駅を約30分で往来できるようにするという。

【動画】中国から最も台湾に近い島ルポ 大橋&高速鉄道、増す統一圧力

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