ドラマ、CM降板なら巨額の損害賠償請求リスクも
もし香川の「性加害」騒動が事実で大問題に発展すれば、多大なジャンルで活躍しているだけに、失うものは多いに違いない。
香川は現在、テレビ朝日系ドラマ「六本木クラス」に長屋茂 役で俳優として出演中。さらにTBS系朝の情報番組「THE TIME」の金曜MC、そしてトヨタ、キリン、東洋水産などのCMにも出演している。それだけではない、香川ありきの企画であるNHKのETV「香川照之の昆虫すごいZ!」という子供向け番組のレギュラーも持ち、そして九代目・市川中車(ちゅうしゃ)として歌舞伎にも出演している。
これだけの出演数であれば、問題化した場合には損害賠償請求の額も半端な額ではないだろう。ちなみに、不倫スキャンダルが報じられたアンジャッシュの渡部建(49)で3億円超などと囁かれていたことから、香川ほどの大物の場合、そんな額では済まされないことは優に想像できる。
もし歌舞伎役者としての道を断たれた場合、香川本人だけの問題では済まされない。香川の長子で歌舞伎俳優の市川團子(18)の後見がいなくなり、團子の歌舞伎役者としての道も危ぶまれるからだ。
名門「澤瀉屋」の名に傷。歌舞伎役者として親子ともに最大のピンチ
香川は二代目市川猿翁(82)の長子だが、歌舞伎役者としての血は一端断たれている。両親である猿翁と元妻の女優・浜木綿子(86)は香川が誕生した後にほどなくして別居し離婚。猿翁は、そこから自分の息子を歌舞伎役者にする道を諦め、市川右團次、市川笑也など門閥のない弟子たちを育成して、「スーパー歌舞伎」など伝統を打ち破る革新的な歌舞伎を打ち出したことは言うまでもない。
そんな、一端は断ち切れた歌舞伎「澤瀉屋」(おもだかや)の血を引き戻そうとしたのは、他でもない香川自身である。いとこである四代目市川猿之助(46)の引き合わせにより、断絶していた猿翁と和解し、香川は2012年に九代目市川中車を襲名した。
そして、香川の長男も同年に五代目市川團子を襲名し、歌舞伎役者の道を歩むことに。しかし、半ば強引に歌舞伎の道を切り開いたことで夫婦関係に亀裂が入り、2016年に夫人と離婚している。
ここまでの無理をして掴んだ歌舞伎役者の道だったが、ここで立ち止まると、團子の歌舞伎役者としての道にも暗雲が垂れ込めてきた。團子は八代目市川染五郎と共に次世代のホープと目される存在に成長してきただけに、まわりが放ってはおかないだろう。香川の問題で歌舞伎生命の危機を迎えることになれば、いまだ独身である猿之助が後ろ盾になり、團子が五代目猿之助を襲名する道も考えられなくはない。
“大和田常務”が再び土下座?
今回の香川照之セクハラ性加害スキャンダルに、ネット上では「既に取り下げられている訴訟なので大騒ぎするな」という意見がある一方、女性からは「性被害にあった人を責めるのはおかしい」という声が多いようだ。
果たしてどう転がるのか、まだ未知数ではあるが、今回のスキャンダルは香川の芸能人生における「最大の危機」であることは間違いないだろう。
このピンチをどう切り抜けるか、俳優・香川照之の一世一代の芸の見せどころなのかもしれない。
あのTBS系人気ドラマ「半沢直樹」で演じた大和田常務のように、しぶとく生き残っていく様を見せるのか。それとも、膝を折って泣きながら「土下座」しながら、「お・し・ま・い・Death!」と逆ギレして終わるのだろうか?