謝罪のプロが評価した香川照之「誰も批判しなかった」TBS朝の生反省

2022.08.29
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「デイリー新潮」の報道により明らかになった、銀座の高級クラブでの俳優・香川照之さんによるセクハラ加害行為。その2日後、自身が司会を務める情報番組の冒頭で深々と頭を下げた香川さんですが、その内容を「謝罪の専門家」はどう評価するのでしょうか。今回、東北大学特任教授でコンプライアンス研修の講師も務められている増沢隆太さんが、まぐまぐのコンテンツプラットフォーム「mine」内で、香川さんの謝罪はこれまで無数に見てきた「失敗会見」とは一線を画すものとの見解を示すとともに、この後に彼を待ち受けている「最大の山場」について解説しています。

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【謝罪プロは見た】香川照之事件に見るセクハラ事件「対応」ケーススタディ

週刊誌の報道で俳優・香川照之さんが、3年前、銀座のクラブにおける性加害に及んだと報じられました。これに対し香川さんが自身が出演する朝の情報番組にておいて謝罪。自らの非と反省を述べました。

私はハラスメントに関する研修や講演では具体的事例を使って対応策について説明をしています。香川さんと被害者、どちらが正しいかを論ずるのではなく、事件が起きた時の組織の対応について考えてみましょう。

賛否うずまく報道

一般のコメントを呼んでいると、事件が銀座のクラブで起き、そこで働くプロのホステスさんが、客の一人だった香川さんの行為を訴えたことという環境設定が、単なるセクハラや性加害と異なり賛否を巻き起こしている原因と感じました。

一方で酒を飲む店のホステスであっても性的嫌がらせは認められない、許せないという意見が、香川さん側への批判となっています。

また事件が2019年のことであり、被害者の方は香川さんではなく、店のママを事態の責任者として訴えたのであって、香川さんとは和解が成立していることなども、「何で今さら」という意見につながっています。

トラブルの判断

こうしたトラブルはセクハラ事件など、当事者間でしかわからないことも多く、まして過去の事件ともなれば客観的な証拠や証言などはなかなか得ることができません。そんな時に一方的に自分の正当性をアピールしたり、逆に相手の人間性を批判するなどのエスカレーションが、えてして起こりがちです。

対応をする組織、この件では香川さんの所属事務所の冷静な対応が絶対に欠かせません。これまた事件勃発ともなれば、だれもが浮足立ち、冷静さを失ってしまうのです。報道だけで判断するなら、香川さんは和解という形で法的対応を済ませており、また被害者本人の方も香川さんを告発すべく騒ぎにした訳ではないようです。

当然のことながら、コンプライアンスがこれだけ不可欠な今、「法的正当性」は絶対要件であり、ここをまず押さえられたのは香川さん事務所にとって頼りどころになりました。しかしまだ問題は解決されません。芸能人という職業から、法的正否を超えたイメージ問題という最大の難関が残っています。

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