それでは、ロシアは西側の経済制裁に耐えていつまでも戦争を続けることができるのでしょうか?
それについて米国の外交専門誌、フォーリンアフェアーズ、9月2日に以下のような記事を発表しています。
ロシア経済は危機に瀕しているのか?
プーチンは、「西側の対ロシア制裁は失敗したと自信を持って言える」と幹部たちに語った。「西側の経済的な作戦は失敗したのだ」。
ロシア経済が安定しているというクレムリンの主張は、ある意味で正しい。銀行は健全で、ほとんどの産業は通常通り操業しており、重要なエネルギー部門は石油を供給し続けている。
高級車が不足しているとはいえ、店頭に食料は十分にある。自動車や洗濯機の生産は予想をはるかに下回るので、消費者はできることなら大きな買い物は先延ばしにするだろう。
クレムリンにとって楽観的なシナリオは、ロシア人が節制して苦境をやり過ごすことである。
今のところ、ロシアの指導者たちは、6カ月間の欧米の制裁を乗り切ったことに満足している。しかし、今後1年間、ロシアの産業界は、欧米の輸入部品のない世界に適応するために苦闘し続けるだろう。
特に、ウラルやシベリアのモノグロドと呼ばれる、一つの工場や産業に依存する地域が、西側の輸出規制に耐えて操業をつづけられるかという問題がある。
そのような地域では産業は重要な雇用の源である。
過去には、このような地域で解雇が行われると、大きな抗議行動や社会的混乱が起こり、政治的に不安定になることがあった。
ロシアのシンクタンクによる最近の調査では、制裁によって半数のモノグロドが直接的な悪影響に直面することが判明している。
解説
「輸出規制が効いてくるのはこれからだ。ロシア辺境地域で工場稼働が難しくなったときに、雇用不安から社会混乱がおこり、それがプーチンの考えを変える可能性がある」という事です。
国内の人心コントロールに腐心するプーチン、冬に向けてエネルギーを確保したい欧州、選挙を意識する米国バイデン、それぞれの立場から、ウクライナ戦争の今後を考える必要があります。(この記事はメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』9月4日号の一部抜粋です。この続きをお読みになりたい方はご登録ください。初月無料です)
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