小林よしのり氏がズバリ指摘。統一協会の信者が教義にダマされる理由

 

大将の安倍晋三が率先して統一協会と一体化していたから、自民党の議員はみんな平気で統一協会や関連団体と関係を結んでいたわけだし、一の子分の萩生田なんかは安心しきって統一協会の「家族」になっていたのだろう。そうして安倍晋三は自民党を、特に安倍派を統一協会とベタベタの関係にした。

そして、まさに統一協会の応援を得て戦っていた選挙戦の真っ最中に、安倍は凶弾に斃れたのだ。

こんな不測の事態さえなければ、今後も自民党と統一協会の関係は末永く蜜月の状態だったはずで、安倍が死んだからと言って、その途端にこれまでの関係を全て反故にしようというのは、それこそ安倍の遺志を蔑ろにする行為じゃないのか?

突き詰めれば、安倍の遺志とは「統一協会と癒着し、韓国に国を売ることと引き換えに権力を維持すべし」というものだ!安倍の遺志を継げというのなら、そうするべきじゃないか!

つまり、統一協会信者に雑誌を買ってもらって部数を維持しようと、全力で統一協会を擁護する「WiLL」や、世界日報記者の記事まで載せてしまう「Hanada」こそが、最も誠実に安倍晋三の遺志を継いでいることになるわけだ。

一方、さすがにそんな「保守」メディアとは違って、一般マスコミは統一協会の悪事に対する追及を続けているし、今後もその手を緩めないでほしいところではあるが、しかしそんなマスコミにも不満がある。

なぜ統一協会の信者たちはその教義にたやすく騙されたのかという、その肝心な部分を、マスコミは曖昧にして隠しているのだ。

なぜ統一協会の教義に人々が騙されたのかといえば、それは日本全体が自虐史観だからだ。

戦後の歴史観が「韓国に悪いことをしました」「日韓併合は悪いことでした」「日本は罪を負っています」と統一協会の教義そのままであり、これを日本中で教育によって子供のうちから刷り込んできたからである。

戦中派の人が日本社会の大勢を占めていた時代にはまだそこまで極端な歴史観ではなかったが、それを次第に歪めて空気を変え、文部省攻撃のキャンペーンなどを通じて歴史教育も自虐史観一色に染めていったのが、朝日新聞を始めとするマスコミだったのだ。

いわば、マスコミは統一協会の共犯者とも言えるのである。

マスコミ報道の中には、統一協会の教義が自虐史観であることを指摘し、なぜ安倍政権は歴史観では全く逆のはずの統一協会を支持していたんでしょうかと皮肉っぽく言っているものもあるが、そう言っている自分たちこそが統一協会の教義に賛同する「共犯者」であることからは、必ず目をそらしている。

未だに一般マスコミは左翼色が強く、自虐史観を見直そうとはしない。そして、自分たちが統一協会の洗脳に最も適した素地を作っているという都合の悪い事実については口をつぐんでおいて統一協会を非難するという、欺瞞を行っているのである。

このままでは、今後も「反日カルト」に簡単に騙される者は跡を絶たない。日本は悪いことしたもんなあ、戦中悪いことばかりやって韓国に迷惑をかけたからなあという刷り込みが残っている限り、統一協会の教義に触れた途端にガッチリ嵌って、あっという間に洗脳されてしまうことになるだろう。

産経新聞や「WiLL」、「Hanada」などの自称保守メディアは、そんな左翼メディアに対するカウンターとして存在しているはずだった。

さすがに「朝日新聞は廃刊しろ」とまで言い出したのはあまりにもヒステリックで、言論の自由を守るという立場からも全く賛成できなかったし、偽史まで使った「日本スゴイ史観」に嵌り込んでしまう危険もあったが、少なくとも自虐史観を否定し、自虐史観論者と戦うという姿勢だけは揺らがないだろうと思っていた。

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